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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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CD1:
◈Wolfgang Amadeus Mozart: Horn Concerto No.1 in D major, K412
◈Wolfgang Amadeus Mozart: Horn Concerto No.2 in E flat major, K417
◈Wolfgang Amadeus Mozart: Horn Concerto No.3 in E flat major, K447
◈Wolfgang Amadeus Mozart: Horn Concerto No.4 in E flat major, K495
Dennis Brain (Hrn)
Philharmonia Orchestra / Herbert von Karajan
(Rec. 23 December 1953, London)
◈Wolfgang Amadeus Mozart: Horn Concerto No.3 in E flat major, K447
Dennis Brain (Hrn)
Sinfonieorchester des Südwestfunks / Hans Rosbaud
(Rec. 6 November 1953, Stuttgart) Live Recording without Applause

CD2:
◈Richard Strauss: Horn Concerto No.2 in E flat major, K447
Dennis Brain (Hrn)
BBC Welsh Orchestra / Rae Jenkins
(Rec. 5 February 1951)
◈Paul Hindemith: Sonata for 4 Horns
Brain Ensemble
{Dennis Brain (1st Hrn), Neil Sanders (2nd Hrn),
Edmund Chapman (3rd Hrn), Alfred Cursue (4th Hrn)
(Rec. 5 January 1956) Live Recording without Applause
◈Ludwig van Beethoven: Sonata for Horn and Piano
Dennis Brain (Hrn)
Denis Matthews (Pf)
(Rec. 1944, London)
◈Robert Schumann: Adagio and Allegro for Horn, op.70
Dennis Brain (Hrn)
Gerald Moore (Pf)
(Rec. 1952, London)
◈Paul Dukas: La Villanelle
◈Marin Marais: La Basque
Dennis Brain (Hrn)
Wilfrid Parry (Pf)
(Rec. 24 August 1957, Usher Hall, Edinburgh) Live Recording without Applause



アンドロメダという廉価復刻レーベルから発売されている、デニス・ブレイン(Dennis Brain, 1921-1957)の演奏集です。
本CDの目玉は、ヘルベルト・フォン・カラヤン(Herbert von Karajan, 1908-1989)指揮するフィルハーモニア管弦楽団とのヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart, 1756-1791)のホルン協奏曲全集です。本家本元のEMIからも幾度にわたって再発売され続け、ホルン協奏曲のベストセラーとされています。

モーツァルトには、ヨーゼフ・ロイトゲープというホルニストの友人がおり、このロイトゲープのために一連のホルン協奏曲を書き上げています。
ブレインが生きていたころは、ホルン協奏曲の第1番について、1782年に一旦第1楽章が完成し、1787年になって第2楽章を完成させたという説が流布していました。近年の研究では、モーツァルトが死の年に第1楽章を書き上げ、第2楽章を完成させずに亡くなったとする説が有力になっています。ブレインをはじめとする、多くの録音では、モーツァルトの没後に弟子のフランツ・クサヴァー・ジュスマイヤー(Franz Xaver Süßmayr, 1766-1803)が補完したバージョンが、モーツァルトの完成作という扱いで録音されています。
なお、この第1番は、本来第二楽章に置かれるべき緩徐楽章がないというのも、一つの特徴です。

第2番のホルン協奏曲は、1783年の作品と考えられています。従来、この曲は第1番よりも後の作品だと考えられていましたが、最近ではモーツァルトが最後まで完成させた最初のホルン協奏曲ではないかと考えられています。この曲も、もちろんロイトゲープに捧げられていますが、その献辞には「ロバ、ウシ、阿呆のロイトゲープを憐れんで」と書かれています。闊達なホルン・ソロと、諧謔的なメロディ・ラインは、モーツァルトの生きていた時代の中ででも、ひときわ個性的なものではなかったかと思います。

第3番のホルン協奏曲は、作曲年代がいまいちはっきりしていません。1783年の作品かと思いきや、オーケストラの伴奏にオーボエ2本の代わりにクラリネットを用いていることから、1787年頃の作品ではないかという説も唱えられています。ただ、モーツァルトの作品カタログには、作品の記載がありません。ロイトゲープのための作品ということで、はしゃぎすぎて作品目録への記入を忘れてしまったのでしょうか。

第4番のホルン協奏曲は、1786年の作品である旨が、モーツァルトの作品目録に記されています。
この曲は、いわゆる、難易度を下げた普及版と、難易度の高い原典版とがあり、もちろん演奏されるのは難易度の高い原典版のほうです。
この作品の楽譜は、カラフルにインクで色づけされた自筆楽譜が残されていて、この作品を作るときのモーツァルトの悪ふざけのほどが伺えます。

カラヤンの指揮するフィルハーモニア管弦楽団との演奏は、ブレインの手の内を見通した演奏で、どの曲も安心して聴けるのがポイントです。ブレインの演奏は、一音として吹き損じがなく、その完成度の高さは、書く腸の高い演奏として別格扱いする人がいるほどです。モーツァルトのホルン協奏曲の名演奏について言及するときは、このブレインの演奏が必ずといっていいほど出てきます。

こうしたカラヤンとの共演盤での完成度の高さについて、スタジオでのレコーディングだからだろうと邪推する人がいるかもしれません。しかし、生演奏でも、ブレインは、比類のない完成度の高さで演奏していました。そのことが、ハンス・ロスバウト(Hans Rosbaud, 1895-1962)の南西ドイツ放送交響楽団と共演したライヴ録音でしっかりと示されます。演奏されているのはモーツァルトのホルン協奏曲第3番のみですが、共演のオーケストラの演奏も、カラヤンの指揮するフィルハーモニア管弦楽団より厳格で、より引き締まって聴こえます。ロスバウトとのホルン協奏曲の全曲録音を残してほしかったです。

本CD集の目玉は、無論ヘルベルト・フォン・カラヤン(Herbert von Karajan, 1908-1989)指揮するフィルハーモニア管弦楽団とのヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart, 1756-1791)のホルン協奏曲全集にありますが、カラヤンとの録音は、本家本元のEMIレーベルからもリリースされ続けています。
このCDを手にする人たちの目当ては、むしろ、その余白ないし、2枚目のCDに入っている音源ではないでしょうか。

2枚目のCDに収録されているのは、リヒャルト・シュトラウス(Richard Strauss, 1864-1949)のホルン協奏曲第2番、パウル・ヒンデミット(Richard Strauss, 1895-1963)の4本のホルンのためのソナタ、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(Ludwig van Beethoven, 1770-1827)のホルン・ソナタ、ロベルト・シューマン(Robert Schumann, 1810-1856)のアダージョとアレグロ、ポール・デュカス(Paul Dukas, 1865-1935)のヴィラネル、マラン・マレ(Marin Marais, 1656-1728)のバスク人の6曲です。

リヒャルト・シュトラウスのホルン協奏曲は、ウェールズ人指揮者のリー・ジェンキンス(Rae Jenkins, 1903-1985)が指揮するBBCウェールズ管弦楽団との共演。ジェンキンスがこのオーケストラに赴任した頃は、アマチュア・オーケストラに毛が生えた程度のアンサンブル能力しかなく、ブレインに引っ張ってもらってなんとか最後までたどり着いたような演奏に仕上がっています。一般的にブレインのパフォーマンスでは、ヴォルフガング・サヴァリッシュの指揮するフィルハーモニア管弦楽団との共演のほうが、ブレインの独奏の状態もよく、演奏の完成度において格段の差がありますが、ブレインの音源のコレクターであれば、演奏内容がどうであれ、入手しておきたい代物なのかもしれません。なお、本CDセットは、二枚目のCDの情報表記で手抜きをしており、ジェンキンスとBBCウェールズ管弦楽団のクレジットはありません。
また、デュカスとマレのアンコール・ピースでも、伴奏ピアニストのウィルフリード・パリー(Wilfrid Parry)の名前なども削られています。

ヒンデミットのソナタは、ニール・サンダース(Neil Sanders, 1923-1992)、同じく同僚のエドムンド・チャップマン(Edmund Chapman)、アルフレッド・カーシュー(Alfred Cursue)との共演。3人ともフィルハーモニア管弦楽団でのブレインの同僚でした。
同じ楽団で顔を突き合わせた仲だけあって、呼吸はぴったり合い、当時のフィルハーモニア管弦楽団のホルン・セクションの素晴らしさを伝えてくれます。ブレインの朗々としたホルンも、決して独りよがりになることなく、他の3人としっかり溶け合っており、アンサンブル奏者としても高い能力を持っていたことが分かります。

ベートーヴェンのホルン・ソナタは、親友のデニス・マシューズ(Dennis Matthews, 1919-1988)との共演です。ただ、録音技師がブレインのホルンを強調しようとしているため、マシューズのピアノが些か引っ込み気味になっているのは残念。マシューズはソリストとしても高い評価を受けたピアニストで、細かなニュアンスでブレインのソロに陰影をつけており、もっとバランスを考えて録音して欲しかったと思います。

シューマンの序奏とアレグロは、ジェラルド・ムーア(Gerald Moore, 1899-1987)との共演です。ムーアは歌曲の伴奏を得意としたピアニストでしたが、器楽奏者たちからも信頼された伴奏ピアニストでした。
朗々と響きわたるブレインのソロを巧みに支えており、まるでブレインはテノール歌手のようです。

最後のデュカスとマレの作品は、録音状態が劣悪ですが、マレの曲では哄笑するようなブレインのホルンの音が爽快です。

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