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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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◈Wolfgang Amadeus Mozart: Fantasia in F minor, K608
◈Wolfgang Amadeus Mozart: Adagio in F minor and Allegro in F major, K594
◈Wolfgang Amadeus Mozart: Andante in F minor, K616
◈Wolfgang Amadeus Mozart: Allegro Veronese in G major, K72a
◈Wolfgang Amadeus Mozart: Fuge in E flat major, K153
◈Wolfgang Amadeus Mozart: Fuge in G minor, K154
◈Wolfgang Amadeus Mozart: Leipziger Gigue in G major, K574
◈Wolfgang Amadeus Mozart: Overtüre in C major, K399
◈Wolfgang Amadeus Mozart: Adagio in C minor and Rondo in C major, K617
◈Wolfgang Amadeus Mozart: Adagio, in C major, K356
Karol Gołębiowski (Org)
(Rec. September 1989, Gdańsk)
◈Wolfgang Amadeus Mozart: Fuge in G minor, K401
Karol Gołębiowski (1st Org)
Wiktor Łyjak (2nd Org)
(Rec. September 1989, Gdańsk)
◈Wolfgang Amadeus Mozart: Adagio and Fuge in C minor, K546
Karol Gołębiowski (Org)
(Rec. September 1989, Gdańsk)



ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart, 1756-1791)がオルガンのためにつくったと思われるものをかき集めてカップリングしたCDです。
モーツァルトは生前、オルガンを「楽器の王様」と呼んで敬愛していましたが、ピアニストとして成功してしまったため、オルガニストとしての活動が存分に出来ませんでした。したがって、オルガンでの演奏を想定して作曲したと思われる作品は、教会ソナタ集以外では、このCD一枚分が関の山ということになります。

アダージョとアレグロ(K594)と幻想曲(K608)とアンダンテ(K616)の3作品は、ボヘミア出身のヨーゼフ・ダイム伯爵の依頼で制作された作品。ダイム伯爵は、自前で蝋人形館を作っていましたが、ウィーンの名士であるエルンスト・ギデオン・ラウドン男爵が亡くなったのを受け、彼の人形を作り、蝋人形館の呼び物にしようとしました。しかし、蝋人形をを作るだけでは、入場者が飽きてしまうことに配慮したダイム伯爵は、ラウドン男爵の霊廟を作り、それに発条仕掛けの自動オルガンを設置することにしました。モーツァルトが作ったのは、その自動オルガンのための音楽です。モーツァルト自身は、自動オルガンには愛着がありませんでしたが、お金になる仕事ということで引き受けたようです。

K72aの《ヴェローナ風のアレグロ》は、モーツァルトの肖像画から出てきた作品です。モーツァルトが13歳でヴェローナに立ち寄った時、ヴェローナの貴族であるピエトロ・ルジアーティが画家のサヴェリオ・ダッラ・ローザにモーツァルトの肖像画を書かせ、その肖像画の中に書き込まれていた楽譜を譜起こししたことで、演奏可能な小品として知られるようになりました。モーツァルトは、ヴェローナでオルガンを弾いて貴族たちを感嘆させており、この肖像画に描かれた作品は、そのオルガン演奏時に使った作品ではないかと推測されています。

K153とK154のフーガは、モーツァルトがフーガの勉強の一環として作成したと思しき断片です。この断片を、19世紀の対位法の大家であるジーモン・ゼヒター(Simon Sechter, 1788-1867)が入手して補筆したものが今日演奏されます。
K574の小ジーグは、1789年にライプツィヒを訪問した際、当地のオルガニストであるカール・エンゲルに世話になり、その世話の返礼として、彼の記念帳に書き込んだ作品です。ライプツィヒで、モーツァルトはヨハン・ゼバスティアン・バッハに縁の深い聖トーマス教会のオルガンで即興演奏を披露しており、対位法的な書法は、J.S.バッハへの一瞥の意味も込められていると考えられます。
K399の序曲は、1782年につくられた組曲の中の一曲です。モーツァルトの理解者となるゴットフリート・ヴァン・スヴィーテン男爵との出会いから、J.S.バッハらの音楽を深く知ることになり、バロック時代の様式の研究の一環として、バロック風の組曲の作曲を計画し、ここに収録された序曲を含む3曲が作られました。他の2曲は、専らピアノで演奏されますが、この序曲は、オルガンでの演奏にも適しているということで、オルガンでも演奏されます。
K401も、スヴィーテン男爵との交流の中で生まれた作品。J.S.バッハ流のフーガに挑戦しようと、4声のフーガを作曲しています。後半は演奏者の即興に任せ、未完成のままとしましたが、後にマクシミリアン・シュタードラー(Maximilian Stadler, 1748-1833)が補筆して完成させました。
K617のアダージョとロンドは、モーツァルトが亡くなる年に作曲された作品。元々グラス・ハーモニカを加えた器楽合奏の曲でしたが、本CDではオルガン用に移し替えて演奏されています。K356のアダージョも、グラスハーモニカのために作曲された作品で、モーツァルトが亡くなる年の作品であることが判明しています。
K546は、1788年にK426のピアノ2台用のフーガを弦楽四重奏用に編曲した際、そのフーガの前奏としてアダージョを付け加えて成立した作品です。元々のフーガが、J.S.バッハを意識して作った作品であることを加味して、ここではオルガンで演奏されています。

本CDの演奏は、ポーランソ出身のオルガニストであるカロル・ゴイェビオフスキ(Karol Gołębiowski, 1954-)が担当しています。K401のフーガは、同じくポーランドのオルガニストであるヴィクトル・ウィヤーク(Wiktor Łyjak, 1954-)が賛助出演しています。本CDの制作にあたっては、グダニスクの聖ニコラス教会のオルガンが使われた旨を明記してあります。
歴史的なオルガンを使用しての録音でもあり、19世紀に建造されたオルガンのようなダイナミクスはありませんが、鄙びた音色がモーツァルトの簡素な音楽と相性がよく、のんびりとした雰囲気で聴くことが出来ます。ゴイェビオフスキの演奏自体は、シンコペーションのリズムの取り方が複符点音符との組み合わせのように弾くという癖があるものの、装飾音の扱いが滑らかで、非常に美しい演奏に仕上がっています。

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