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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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◈Wolfgang Amadeus Mozart: The Church Sonata No.1 in E flat major, K67
◈Wolfgang Amadeus Mozart: The Church Sonata No.2 in B flat major, K68
◈Wolfgang Amadeus Mozart: The Church Sonata No.3 in D major, K69
◈Wolfgang Amadeus Mozart: The Church Sonata No.4 in D major, K144
◈Wolfgang Amadeus Mozart: The Church Sonata No.5 in F major, K145
◈Wolfgang Amadeus Mozart: The Church Sonata No.6 in B flat major, K212
◈Wolfgang Amadeus Mozart: The Church Sonata No.7 in F major, K224
◈Wolfgang Amadeus Mozart: The Church Sonata No.8 in A major, K225
◈Wolfgang Amadeus Mozart: The Church Sonata No.9 in G major, K241
◈Wolfgang Amadeus Mozart: The Church Sonata No.10 in F major, K244
◈Wolfgang Amadeus Mozart: The Church Sonata No.11 in D major, K245
◈Wolfgang Amadeus Mozart: The Church Sonata No.12 in C major, K263
◈Wolfgang Amadeus Mozart: The Church Sonata No.13 in G major, K264
◈Wolfgang Amadeus Mozart: The Church Sonata No.14 in C major, K268
◈Wolfgang Amadeus Mozart: The Church Sonata No.15 in C major, K328
◈Wolfgang Amadeus Mozart: The Church Sonata No.16 in C major, K329
◈Wolfgang Amadeus Mozart: The Church Sonata No.17 in C major, K336
Karol Gołębiowski (Org)
The Pomeranian Philharmonic Orchestra / Jerzy Salwarowski
(Rec. 1989, Bydgoszcz)



教会ソナタは、17世紀のイタリアで興隆した器楽音楽です。教会は元々、器楽より声楽を重んじていましたが、世俗では器楽が盛んになり、それにつられて教会音楽にも器楽が入り込むようになってきました。そうした教会音楽への器楽の流入の一環が、教会ソナタの興隆ということになります。元々は、教会で演奏する器楽曲という漠然とした定義でしたが、緩-急-緩-急の4楽章構成をとるように形式が整えられるようになり、これが18世紀以降のソナタの形式的な礎となりました。

しかし、以上のような形式の整備は、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart, 1756-1791)が奉職していたザルツブルグ方面では、あまり積極的に進められていなかったようです。モーツァルトが、かつての恩師であるボローニャのジャンバティスタ・マルティーニに報告した書簡によれば、イタリアと違って、ミサの挙式が45分以内と定められ、そこに挿入される教会ソナタも大きな時間的制約が加わることが述べられています。つまり、ソナタとはいうものの、ドメニコ・スカルラッティのソナタくらいの尺で教会ソナタを作らなければなりませんでした。そんなわけで、モーツァルトの教会ソナタは、単一楽章による、オルガンつきの器楽合奏曲として作曲されることになりました。
今日、モーツァルトの教会ソナタは、17曲のソナタが真作と認定されていますが、作曲年代は、およそ次の通りです。

・第1~3番(1766年末から翌年初頭にかけての作、1772年作という説もあり)
・第4~5番(1772年作)
・第6番(1775年作)
・第7~12番(1776年作)
・第13~14番(1777年作)
・第15~第16番(1779年作)
・第17番(1780年作)

楽器の編成もおよそ簡素なもので、第12番、第14番と第16番以外は、オルガン奏者1人と、ヴァイオリン2パートと、バスのパート(チェロ&コントラバス)というのが共通の編成で、ヴィオラは省かれています。第12番ではトランペット2本が加わり、第14番ではトランペット2本にオーボエ2本、そしてティンパニが加わり、チェロとコントラバスのパートが分離します。第16番では、第14番の編成にホルン2本が加わり、豪華な音楽になります。また、オルガン奏者のパートも、初期は弦楽セクションの和音の補強しかしていなかったのに対し、次第にオルガンが独自の動きを見せるようになり、最後の第17番でオルガンが縦横無尽の活躍を示し、協奏曲さながらのカデンツァまで演じることが要求されるようになります。この第17番を書いた翌年に、モーツァルトはザルツブルグ大司教のコロレド伯ヒエロニュムスと決別し、フリーの立場で活躍することになったのでした。

本CDの演奏は、オルガンの独奏をカロル・ゴイェビオフスキ(Karol Gołębiowski, 1954-)が担当し、イェジー・サルヴァロフスキ(Jerzy Salwarowski, 1946-)の指揮するポモージェ・フィルハーモニー管弦楽団がサポートしています。
ゴイェビオフスキは、ポーランドはワルシャワに生まれたオルガニストです。地元の音楽院でヨアヒム・グルビッヒの薫陶を受け、さらにジュネーヴでライオネル・ロッグ、ブリュッセルでヘルマン・フェアシュレーヘンの各氏に師事しています。主なコンクール歴としては、1977年のニュルンベルク国際オルガン・コンクールで第3位、1979年のミュンヘン国際音楽コンクールのオルガン部門で第3位を獲得しています。1990年代初頭ごろから、ベルギーを本拠に世界中を回っており、1991年からは、ヨーロッパ・オルガン・フェスティヴァルを開催して、音楽監督も行っているそうです。
サルヴァロフスキは、ポーランドの指揮者兼作曲家で、作曲家としてはクシュシュトフ・ペンデレツキらの薫陶を受け、指揮者としては、ヘンリク・チジュに師事した後、イタリアのキジアーナ音楽院に行き、フランコ・フェラーラの下で研鑽を積んでいます。指揮法の先生として信頼の厚い人らしく、ドイツのエッセンやアメリカのワシントン、ルクセンブルクやエジプトのカイロなど、世界各国でマスター・クラスを開いているほか、地元ポーランドのトルンやチェンストホヴァといった周辺都市のオーケストラの育成もしています。

本CDに収録された演奏は、ポモージェ・フィルハーモニー管弦楽団の面々に多少限界を感じるものの、多めの残響や低音補強としてのファゴットの随時追加といった策で、技量不足を巧みにカバーしており、モーツァルトの作品の可愛さを味わうという点では問題ありません。サルヴァロフスキの無理のないテンポ設定も、ロココ趣味を思わせる作品の長閑さに合致しており、純朴な美しさという商品価値の創出に成功しているようです。
ゴイェビオフスキのオルガンも、オーケストラの呼吸にぴったりと合わせており、過不足のない仕上がりです。第17番も、オーケストラと歩調を合わせながら、華美に陥らないしっかりした演奏を展開しています。

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