1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
◈Johann Sebastian Bach: Goldberg-Variationen BWV988
中野振一郎 (Cemb)
(Rec. 18 & 19 April 2006, 横須賀ベイサイド・ポケット, 神奈川)
中野振一郎(Shin-ichiro Nakano, 1964-)のバッハのゴルドベルク変奏曲です。彼にとっては、1999年にも一度録音したことのあるこの曲ですが、楽壇生活20周年ということで、今回はミヒャエル・ミートケが1710年に作ったジャーマン式2段チェンバロをアテルエル・フォン・ナーゲルが1995年に復元した楽器を使って挑んでいます。
癖のない美しい演奏で、グスタフ・レオンハルトのような弾力性のかわりに、刷毛で楽譜を撫でるような穏やかな美しさに満ちています。
あっと驚くような仕掛けを一切排除し、ひたすら緻密に音楽を紡ぎ挙げていくだけの演奏だといわれるかもしれませんが、粛々と弾きながら、バッハにお伺いを立てるかのような演奏は、オリジナリティ云々の前に強い説得力があります。
中野の演奏の凄いところは、何の変哲もない演奏でありながら、それが退屈へとつながらないところだと思います。
何度も「オーセンティック」という言葉を使いたくなる演奏ですが、そんな言葉を書いては消し、書いては消しを繰り返してしまう演奏でもあります。
その演奏には、少しも偉ぶったところはありません。
イメージとしては、第15変奏までは、ひたすら奏者と共に山をエッチラオッチラ登っていき、第16変奏でお弁当箱を広げて一休み。
第17変奏から第20変奏までそこで暇をつぶして、後の変奏で景色を眺めながら山を降りていきます。
富士山のようなハードな山を思わせる演奏ではありませんが、何度も聴き返してみると、足元にスミレが咲いているのを見つけたり、木々の芽吹きを感じたりと、些細な発見をチョコチョコさせてくれる演奏でもあります。
淡々と弾くことで、かえって作品の美しさや面白さがなんとなく分かってくるような、そんな音楽でした。
癖のない美しい演奏で、グスタフ・レオンハルトのような弾力性のかわりに、刷毛で楽譜を撫でるような穏やかな美しさに満ちています。
あっと驚くような仕掛けを一切排除し、ひたすら緻密に音楽を紡ぎ挙げていくだけの演奏だといわれるかもしれませんが、粛々と弾きながら、バッハにお伺いを立てるかのような演奏は、オリジナリティ云々の前に強い説得力があります。
中野の演奏の凄いところは、何の変哲もない演奏でありながら、それが退屈へとつながらないところだと思います。
何度も「オーセンティック」という言葉を使いたくなる演奏ですが、そんな言葉を書いては消し、書いては消しを繰り返してしまう演奏でもあります。
その演奏には、少しも偉ぶったところはありません。
イメージとしては、第15変奏までは、ひたすら奏者と共に山をエッチラオッチラ登っていき、第16変奏でお弁当箱を広げて一休み。
第17変奏から第20変奏までそこで暇をつぶして、後の変奏で景色を眺めながら山を降りていきます。
富士山のようなハードな山を思わせる演奏ではありませんが、何度も聴き返してみると、足元にスミレが咲いているのを見つけたり、木々の芽吹きを感じたりと、些細な発見をチョコチョコさせてくれる演奏でもあります。
淡々と弾くことで、かえって作品の美しさや面白さがなんとなく分かってくるような、そんな音楽でした。
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