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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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CD1:
◈Claude Debussy: Nocturnes
Czech Philharmonic Choir (Chorus master: Josef Veselka)
Czech Philharmonic Orchestra / Jean Fournet
(Rec. 23-27 October 1963, Prague)
◈Claude Debussy: La Mer, Trois esquisses symphoniques pour orchestre
Czech Philharmonic Orchestra / Jean Fournet
(Rec. 23-27 October 1963, Prague)

CD2:
◈Claude Debussy: 'Ibéria' from "Images pour orchestre"
◈Manuel de Falla: 'Los vecinos' from "El sombrero de tres picos"
◈Manuel de Falla: 'Danza del molinero' from "El sombrero de tres picos"
◈Manuel de Falla: 'Danza final' from "El sombrero de tres picos"
◈Claude Debussy: Rondes de printemps from "Images pour orchestre"
Czech Philharmonic Orchestra / Jean Fournet
(Rec. 7-10 February 1965, Prague)

CD3:
◈César Franck: Le chasseur maudit
◈César Franck: Les Éolides
◈César Franck: Rédemption, Intermède Symphonique from the Oratrio
Czech Philharmonic Orchestra / Jean Fournet
(Rec. 23-28 January 1967, Prague)
◈César Franck: Les Djinns
František Maxian (Pf)
Czech Philharmonic Orchestra / Jean Fournet
(Rec. 23-28 January 1967, Prague)

CD4:
◈César Franck: Psyché
Czech Philharmonic Choir (Chorus master: Josef Veselka)
Prague Symphony Orchestra / Jean Fournet
(Rec. 3-5 December 1964, Prague)



本CD集は、ジャン・フルネ(Jean Fournet, 1913-2008)が、1960年代にチェコを訪れた時の録音をセットにしたもの。
CD集の1枚目には、クロード・ドビュッシー(Claude Debussy, 1862-1918)の夜想曲と交響的絵画《海》が収録されています。
この録音が行わた時期のチェコ・フィルハーモニー管弦楽団は、丁度カレル・アンチェルが首席指揮者を務めており、オーケストラのコンディションとしては絶好調の時期に当たります。
やや木管楽器群の音に、フランスのオーケストラとは違う癖が感じられますが、全体的にフワッとした音が心地よいです。

夜想曲は、〈雲〉、〈祭り〉、〈シレーヌ〉の3曲からなる組曲で、1892年から7年がかりで作曲された、ドビュッシーの労作でした。1900年に〈シレーヌ〉以外の2曲が、カミーユ・シュヴィヤール指揮するラムルー管弦楽団の演奏会で初演され、翌年には女声合唱団を加えて、〈シレーヌ〉を含む全曲を演奏して成功を収めました。
《海》のほうは、1903年から2年がかりで作られた作品。この作曲中には、歌劇《ペレアスとメリザンド》が初演されて、フランスのオペラの新機軸を打ち出したと見做され、作曲家としてさらに名を上げた反面、リリー・テクシエと離婚してエンマ・バルダックと同棲生活を始めています。このことは、リリーが自殺を図ったことでスキャンダルになり、多くの友人がドビュッシーの許から離れていきました。
このため、シュヴィヤール指揮するラムルー管弦楽団が初演する時には、楽団員が、スキャンダラスなドビュッシーを嫌って演奏を拒否するという一幕もあったようです。
作品自体は、当初〈ザンギネールの島々の美しい海〉(Mer belle aux îles Sanguinaires)、〈波の戯れ〉(Jeux de vagues)、〈風は波を踊らせる〉(Le vent fait danser la mer)という題名だったのですが、作曲中に、最初の曲を〈海の夜明けから真昼まで〉(De l'aube à midi sur la mer)に、最後の曲を〈風と海の対話〉(Dialogue du vent et de la mer)と名前を変えています。出版譜に、葛飾北斎の富嶽三十六景から「神奈川沖浪裏」の絵を用いていることから、この北斎の絵がドビュッシーのインスピレーションの源泉になったのではと考える人もいれば、イギリス人画家のウィリアム・ターナーの絵との関連性を指摘する人もいます。

2枚目のCDには、ドビュッシーの《管弦楽のための映像》から〈イベリア〉(1905-1908年作)と〈春のロンド〉(1905-1909年作)が選曲され、その合間にマヌエル・デ・ファリャ(Manuel de Falla, 1876-1946)のバレエ音楽《三角帽子》(1917年作)から〈隣人の踊り〉、〈粉屋の踊り〉、〈フィナーレの踊り〉の3曲が選ばれて演奏されています。
ドビュッシーの生きていたフランスの文化は、ファリャの生まれたスペインの文化と隣り合わせで存在しており、お互いに刺激し合っていました。実際のところ、ファリャはドビュッシーとも親交を結んだり、モーリス・ラヴェルらと芸術サークルを作ったりしていました。
こうしてフランスの音楽とファリャの音楽を並べると、ファリャの音楽語法が、フランスの憧れるオリエンタリズムの典型例だったのではないかという気にさせられます。
フルネも、そうした音楽の塩梅をわきまえた演奏を聴かせてくれます。チェコ・フィルハーモニー管弦楽団の演奏も、音色の面でフランスのオーケストラとは違ったクセがあるものの、フランス音楽を体現しようと、しっかりフルネの棒についていこうとしています。

3枚目のCDからは、セザール・フランク(César Franck, 1822-1890)の交響詩が収録されます。
《呪われた狩人》(1882年作)は、ドイツの詩人、ゴッドフリート・アウグスト・ビュルガーのバラードを音楽化したもの。狩人(伯爵)が、周囲の人たちが止めるのも聞かず、教会のミサを放ったらかしにして狩りに出かけた結果、呪われてしまい、悪魔に追い立てられるようになるという筋書きです。
《アイオリスの人々》(1876年作)は、フランスの詩人、ルコント・ド・リールの詩に基づくもの。風の神アイオリスの娘がそよかぜとして南の島に行き、人々にやすらぎや優美さ、愛などを伝えるという筋書きを音楽化した作品で、最後はそよ風が吹きわたるようにフッと終わります。
次に収録されているのは、交響的間奏曲と呼ばれ、《贖罪》と題された作品です。元々オラトリオの一部として1872年に作曲されましたが、オラトリオとして上演してみたところ、評判が悪く、再演の目途も立たなかったので、オーケストラの部分を全面的に改作して交響的間奏曲と名付けて独立したオーケストラ曲に仕立て上げたのでした。
3枚目のCDの最後に収録されているのは、《ジン》という交響詩。ヴィクトル・ユーゴーの『オリエンタール』という詩集から着想を得ています。1884年に、カロリーヌ・モンティニー=レモーニーという女流ピアニストの依頼を受けて作曲しましたが、1885年の初演では、ルイ・ディエメがピアノのパートを担当しています。
ジンというのは、千夜一夜物語に出てくるアラビアの精霊のこと。人によって「魔人」ともいいます。変幻自在で突拍子もないことを平気で行う暴れん坊で、フランクは、その暴れっぷりと、ジンがいなくなった後の静けさを対比しています。
本CDでは、ピアノのパートをフランティシェク・マクシアーン(František Maxián, 1907-1971)が担当しています。マクシアーンは、ヴィレーム・クルツ門下のピアニストで、ヨーゼフ・ハーラやヤン・パネンカの師として知られるチェコ音楽界の重鎮でした。あまり派手な芸風ではなく、オーケストラと共演すれば、目立つことよりも協調性を重んじる演奏をするタイプのようです。本演奏でも、オーケストラにしっかり溶け込みながら、立派な名技を聴かせてくれます。
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団も、《呪われた狩人》ではパワフルに鳴らし、《アイオリスの人々》ではふんわりとした耳触りの音楽を奏で、硬軟使い分けた表現力の妙を聴かせてくれています。

4枚目のCDに収録された《プシシェ》はソプラノ、アルトとテノールの三部合唱を伴う大掛かりな交響詩で、題材はギリシャ神話からとっています。
作品は二部構成で、山の娘プシシェが眠りこけて、そのまま西風に運ばれてエロースのいる宮殿へ行くところまでが第一部です。第二部では、楽園のような宮殿でエロースとプシシェが仲良くなります。声はすれども姿を見せないエロースは、プシシェと婚約する話をし、結婚するまではっ自分の姿を見ないように約束させます。しかし、プシシェはエロースの約束を破り、エロースの姿を見てしまいます。美男子だったエロースを見て、プシシェはエロースにほれなおしますが、エロースは約束を破られたことに怒り、ゼウスのいる神殿に帰ってしまいました。最終的には、プシシェが幾多の困難を超えてエロースのいる神殿に会いに行き、エロースに許されてプシシェは晴れてエロースと結婚することになりました。
作品は1888年に作曲されて、その年のうちにフランク自身がタクトを取って初演しています。
本作品では、フルネはプラハ交響楽団を振り、チェコ・フィルハーモニー合唱団の協力を得て録音しています。
フランクの音楽としては、やや異色の作品とされる本作品を、上品にまとめあげており、いたずらにドラマティックになることなく、冷静に響きの美しさを引き出しています。

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