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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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◈Giuseppe Verdi: Messa da Requiem
Herva Nelli (S)
Fedora Barbieri (Ms)
Giuseppe di Stefano (T)
Cesare Siepi (Bs)
Robert Shaw Chorale (Chorus master: Robert Shaw)
NBC Symphony Orchestra / Arturo Toscanini
(Rec. 17 January 1951, Carnegie Hall) Live Recording without Applause



イタリアの作曲家、ジュゼッペ・ヴェルディ(Giuseppe Verdi, 1813-1901)の《レクイエム》です。
この作品は、アレッサンドロ・マンゾーニというイタリアの文豪の追悼のために書いた作品です。
マンゾーニは、ヴェルディが敬愛していた小説家で、1868年には面会も果たしています。
ヴェルディは、マンゾーニが亡くなった時、ショックのあまり葬儀に参列できませんでしたが、なんとかして彼への追悼の意を表そうと、作曲を決意しました。
作品を書くにあたって、ヴェルディは、専属契約先のリコリディ出版社を通じてミラノ市に初演の確約をもらい、マンゾーニの亡くなった年の夏から作曲を始めています。翌年に完成させたヴェルディは、その年のうちに、ミラノ市の確約通り、ミラノの聖マルコ教会で、マンゾーニの命日である5月22日に初演しました。
この作品は、ヨーロッパ各地はもとよりアメリカでも上演され、賛否両論を巻き起こしました。
ヨハネス・ブラームスなどは、この作品をヴェルディの傑作に位置付けて賞賛しましたが、批評家の中には、作品のスケールの大きさがレクイエムに相応しくないと論じ、ヴェルディの不出来なオペラと揶揄する人もいたようです。
なにはともあれ、レクイエムに相応しくないとまで言われたこの曲のドラマ性は、コンサートでは抜群の演奏効果を発揮し、ヴェルディの人気の演目の一つに数えられています。

本CDで録音しているアルトゥーロ・トスカニーニ(Arturo Toscanini, 1867-1957)は、イタリアの指揮者です。
彼は、若いころ、パルマ音楽院でチェロを専攻し、ミラノ・スカラ座にチェリストとして就職して、ヴェルディの謦咳にも接していた人でした。そのため、ヴェルディの作品解釈は、作曲者直伝の解釈として定評がありました。
本CDは、1951年にカーネギー・ホールで行われたヴェルディ没後50年記念の演奏会のライヴ録音です。
本ライヴに参加しているヘルヴァ・ネッリ(Herva Nelli, 1909-1994)は、イタリア生まれながらアメリカで音楽教育を受け、トスカニーニが《アイーダ》の録音をするときのオーディションで見染められて、トスカニーニに重用されたソプラノ歌手です。メゾ・ソプラノのフェードラ・バルビエリ(Fedora Barbieri, 1920-2003)、テノールのジュゼッペ・ディ・ステファノ(Giuseppe di Stefano, 1921-2008)、バスのチェーザレ・シエピ(Cesare Siepi, 1923-)も、すべてイタリアの歌手で、メトロポリタン歌劇場に出演して評判をとったという実績を評価されて起用されました。なお、シエピとトスカニーニは、ミラノ・スカラ座が1948年に行ったアリゴ・ボーイト没後30年記念のオペラ上演で共演をしており、トスカニーニにとっては納得の人選だったようです。
合唱団は、ロバート・ショウ合唱団を起用していますが、この合唱団は、ロバート・ショウ(Robert Shaw, 1916-1999)が1949年に結成したばかりの合唱団でした。トスカニーニは、合唱指揮者としてのショウの才覚を高く評価していました。

本録音は、大規模な演奏会のライヴ録音のため、サウンドが飽和状態になる欠点を覚悟しなければなりません。
NBC交響楽団は、トスカニーニの棒に機敏に反応し、〈怒りの日〉の大太鼓は、暴れ太鼓さながらの熱演を繰り広げています。オーケストラ全体の響きのバランスからすればかなり浮き立っていますが、トスカニーニはヴェルディの指示を、オーケストラのバランスを犠牲にしてでも忠実に守ろうとしたようです。トスカニーニの気迫を受けて燃え上がるオーケストラに対し、合唱団もやや粗めながら熱の入った合唱を披露。決して下手ではなく、オーケストラに位負けしない勢いを感じさせます。
直情的な演奏なので、まろやかさには不足しますが、その分独唱陣がたっぷりと表情をつけて歌っているため、結果として心を打つ演奏に仕上がっています。
白眉は〈怒りの日〉の終盤に歌われる〈涙の日〉で、その痛切な歌唱は、芝居を通り越して真実味を獲得しています。
この演奏を聴いた後に、他の演奏を比較すると、大概の演奏が手ぬるく聴こえます。

唯一欠点を挙げるとすれば、終曲の〈リベラ・メ〉の全ての音が鳴り終わった直後に音が切れてしまうところでしょうか。
歴史的な音源は、記録されている音に深刻な影響の及ばない程度のノイズ・リダクションは行ってしかるべきですが、それでも混入するノイズは、歴史的音源ならではの場の雰囲気を醸し出すファクターとなります。
このファクターについて、何の余韻もなくブツ切りにするような編集は、立派な反物を半端な長さで切り落としてしまうようなもので、違和感を感じます。
録音当時の無音に分け入り、そこの無音からい出て無音に帰り行く音を堪能するスタンスからすれば、無作為な編集は、音楽的ではありません。

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