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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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◈Jan Václav Voříšek: Symphony in D major, op.24
SWF Symphony Orchestra / Petr Altrichter
(Rec. 9 July 1995, Weinbrennersaal des Kurhauses Baden-Baden)
◈Zdeněk Lukáš: Piano Concerto No.3, op.258
Jitka Čechová (Pf)
SWF Symphony Orchestra / Petr Altrichter
(Rec. 9 July 1995, Weinbrennersaal des Kurhauses Baden-Baden)



ヤン・ヴァーツラフ・ヴォルジーシェク(Jan Václav Voříšek, 1791-1825)の交響曲(1821年作)とズデニェク・ルカーシュ(Zdeněk Lukáš, 1928-2007)のピアノ協奏曲第3番(1993年作)のカップリング。

ヴォルジーシェクはボヘミアでヤン・ヴァーツラフ・トマーシェクに学んだ作曲家です。
1813年にウィーンに出て、ヤン・フーゴー・ヴォルジーシェク(Jan Hugo Woržischek)として活躍しました。
ウィーンに出てからのヴォルジーシェクは、ヨハン・ネポムク・フンメルの指導を受け、鍵盤楽器演奏のスペシャリストとして売り出しましたが、作曲家としての彼は、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンに私淑し、ベートーヴェンからも、将来を大いに嘱望されていました。
そんなヴォルジーシェクの代表作が、生涯唯一の交響曲となった、ニ長調の作品です。
4楽章構成で、メヌエットのかわりにスケルツォを用いている点は当世風ですが、オーケストレーションからも、ベートーヴェンの影響が感じられます。
しかし、単純にベートーヴェンを追随するわけではなく、第4楽章に第1楽章で用いられた素材を活用し、循環形式の先駆的な工夫を施しています。

本CDの演奏は、ペトル・アルトリフテル(Petr Altrichter, 1951-)の指揮する南西ドイツ放送交響楽団によるものです。
アルトリフテルは、チェコの指揮者です。彼は、ヴァーツラフ・ノイマンの助手を務めたあと、プラハ交響楽団の首席指揮者に就任したのを皮切りに、世界各国のオーケストラに客演して、チェコを代表する指揮者としての地歩を固めつつあります。
本録音時は、コンスタンツを本拠にする南西ドイツ・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者を務めていました。
南西ドイツ放送交響楽団は、バーデン=バーデンを本拠にするオーケストラです。1996年から、フライブルクのコンサート・ホールでの演奏会も開くようになり巻いた。歴代の首席指揮者にハンス・ロスバウトやエルネスト・ブールといった人たちが名を連ねており、彼らの薫陶によって、20世紀以降の作品に積極的に取り組むようになりました。
ヴォルジーシェクが生きていたころの交響曲は、近年では、時代考証に基づいて、人数を刈り込み、比較的少人数で演奏するようですが、本演奏では、そうした考証に構わず、従来の大掛かりな編成で演奏しています。
しかし、それでいて、オーケストラの統制がしっかり取れており、第1楽章や第3楽章の躍動感は出色の出来栄えを示します。
やや、第2楽章は、オーケストラのシャープな響きが仇となり、緩徐楽章ならではの深いコクに不満が残りますが、メリハリの利いた第4楽章の演奏は、清新な聴後感を残し、大変魅力的です。ベートーヴェンの後継者として将来を嘱望されたヴォルジーシェクの才気を存分に味わえる演奏でした。

一方、カップリングのルカーシュの作品は、20世紀の作品ということで、南西ドイツ放送交響楽団にとっては、まさに本領を発揮するのに好適な作品と言えそうです。
ルカーシュは、第二次世界大戦前までは、語学の教師を本業とし、合唱団の指導を副業でやっていた人です。
戦後は、ピルゼンの放送局の音楽プロデューサーとなったことで、本格的に音楽の道に進むようになり、ミロスアフ・カベラーチの下で音楽理論を教わって作曲家に転身しました。
この第3番のピアノ協奏曲は、南西ドイツ放送の委嘱を受け、チェコ人ピアニストのイトゥカ・チェコヴァー(Jitka Čechová, 1971-)のために書かれた作品。本CDに収録されたチェコヴァーのピアノとアルトリフテルの指揮する南西ドイツ放送交響楽団の演奏は、本作の世界初録音です。
作品は単一楽章で、不協和音をふんだんに用いた晦渋な作風を示していますが、全くの無調音楽に徹しているわけではなく、民謡を思わせるメロディの断片が織り込まれています。
チェコヴァーのピアノは、八面六臂の活躍で、不協和音の音塊に臆することなく、勇猛果敢な弾きっぷりでイニシアチブをとっています。
サポートするオーケストラも、ヴォルジーシェクの交響曲以上に生き生きとした演奏で、チェコヴァーのピアノと拮抗し、緊張感の高い演奏を聴かせます。

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