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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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◈Ludwig van Beethoven: Violin Concerto in D major, op.61
Henryk Szeryng (Vn)
Amsterdam Concertgebouw Orchestra / Bernard Haitink
(Rec. 26 & 27 April 1973, Concertgebouw, Amsterdam)
◈Ludwig van Beethoven: Romance No.1 in G major, op.40
◈Ludwig van Beethoven: Romance No.2 in F major, op.50
Henryk Szeryng (Vn)
Amsterdam Concertgebouw Orchestra / Bernard Haitink
(Rec. 14 & 15 September 1970, Concertgebouw, Amsterdam)



ヘンリク・シェリング(Henryk Szeryng, 1918-1988)は、ポーランド出身でメキシコ国籍を持っていたヴァイオリニスト。シェリングは、1970年代のフィリップス・レーベルに、ベルナルト・ハイティンク(Bernard Haitink, 1929-)の率いるアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団と、ヴァイオリン協奏曲の名作といわれるものを矢継ぎ早に録音しましたが、本CDはその一環です。
本CDでは、オーケストラの名前が「ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団」になっていますが、このオーケストラが公式にこの名称を名乗り出したのは、1988年に創立100周年を迎え、オランダのベアトリクス女王から「ロイヤル」(Koninklijk)の称号を正式に下賜されてからのことです。また、それを機に、ハイティンクは首席指揮者の座を勇退しており、ハイティンクが首席指揮者として活躍していた時までのオーケストラは、まだ「ロイヤル」の称号を公式には用いていませんでした。

本CDで指揮を務めるハイティンクは、アムステルダム音楽院でヴァイオリンを専攻し、オーケストラのヴァイオリニストとしてキャリアを始めた人です。1954年にフェルディナント・ライトナーの薫陶を受けて指揮者として開眼し、1955年からオランダ放送フィルハーモニー管弦楽団の副指揮者を皮切りに指揮者としての実績を積んできました。1961年にはアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の首席指揮者に抜擢され、オランダ有数の名指揮者として地歩を固めました。

本CDで録音されているのは、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(Ludwig van Beethoven, 1770-1827)のヴァイオリン協奏曲(ニ長調)と2曲のロマンスです。ベートーヴェンが完成させたヴァイオリンとオーケストラのための協奏作品は、三重協奏曲を除けば、これで全てということになります。ヴァイオリニストにとっては、オーケストラと共演できるベートーヴェンの作品がこれらしかないため、ほぼ必修の科目のようになっています。しかし、ヴァイオリン協奏曲に関しては、最初から名曲として受容されたわけではなく、アン・デア・ウィーン劇場のコンサート・マスターであるフランツ・クレメントによって1806年の12月23日にアン・デア・ウィーン劇場で行われた初演では、批評家筋に散々にこきおろされています。超絶技巧家として知られたニコロ・パガニーニも、ベートーヴェンに敬意を示して、この曲をレパートリーに入れようとしましたが、客受けが悪くて断念しています。この曲が名曲として認知されたのは、ヨーゼフ・ヨアヒム(Joseph Joachim, 1831-1907)というハンガリー出身の少年が、フェリックス・メンデルスゾーンの指揮するライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の1844年のロンドン公演で、この曲を取り上げてからのことでした。シェリングは、この作品の肯定的再評価に先鞭をつけたヨアヒムのカデンツァを用いています。

2曲のロマンスについては、かつて、どちらも19世紀初頭に書かれた作品だと説明されていた時期もありました。しかし、最近では第1番として知られるほうは1802年ごろ、第2番として知られるほうは1798年ごろにそれぞれ書きあ げられたと考えられています。いかなる理由で書きあげられたのかは、未だよく分かっていません。メロディの甘美さでは第2番が好まれますが、和声的な工夫と内 省的な静けさでは、第1番も引けを取りません。

シェリングの独奏は、よくいえば誠実で奇をてらわない正攻法の演奏です。中庸のテンポで余裕を持って弾き、楽譜を論理的に読み込んで、それぞれのフレーズの意味を聴き手に諭しているかのようです。共感ではなく、理性的なコントロールによって、作品の型を構築していくというアプローチは、感動はしないけれども、「ここまで弾ければ大したものだ」と言われる要件の基準を作るものだったのかもしれません。
奇抜なことを何一つ起こさず、聴き手を陶酔させず、どのように弾けば効果的に演奏できるかを垂範しているという点では、大先生のありがたい演奏だといえます。
ハイティンクの伴奏も穏当な演奏で、シェリングの示範に従順で過不足がありません。オーケストラをたっぷり鳴らしながら、当たり障りのないところでシェリングの独奏を守り立てる滅私奉公ぶりは、ある意味職人芸ともいえるでしょう。
しかし、ベートーヴェンの協奏曲は、40分を超える長丁場であり、全て「正しい」だけでは、一本調子でつまらなくなるものです。独奏者と指揮者の間で、協力したり、何かを吹っ掛けたり、お互いの動きを探り合ったり、主導権を巡って争ったりするところに協奏作品の醍醐味があるのですが、シェリングとハイティンクの間には、お互いに刺激し合うような活発なやり取りが感じられず、お役所の作ったマニュアルを読み上げるような、国会の質疑応答を思い起こさせます。
とりわけシェリングのヴァイオリンの音色が麗しいわけでもなく、演奏に目新しさがあるわけでもありません。
また、協奏曲を聴いた後、2曲のロマンスをシェリングの独奏で聴くと、別の曲なのに同じ繰り言を聞かされているようで、私は食傷気味になります。
この演奏は、おそらく、20世紀におけるこれらの曲の平均的総括として位置づけられるでしょう。ためにはなるでしょうが、面白くはありません。

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