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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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◈Gustav Mahler: Das Lied von der Erde
Maureen Forrester (Ms)
Richard Lewis (T)
Cleveland Orchestra / George Szell
(Rec. 21 April 1967, Berlin) Live Recording with Applause



グスタフ・マーラー(Gustav Mahler, 1860-1911)の通算9番目の交響曲です。
1907年にハンス・ベートゲの出版した『中国の笛』という詩集を手にしたマーラーは、長女との死別、自らの心臓疾患やウィーン国立歌劇場との関係の決裂などといった、自分に降りかかるネガティヴな出来事とその詩集の世界観を重ね合わせて構想を膨らませ、1908年にテノールとアルトを独唱に据えた交響曲を書き上げました。
しかし、9曲以上の大交響曲を仕上げようとすると死んでしまうという作曲家のジンクスを信じていたマーラーは、この9番目の交響曲に敢えて番号を割り当てませんでした。

第1楽章の〈大地の哀愁に寄せる酒宴の歌〉は、寂しさを紛らわすために酒を飲み、それがさらに寂しさを募らせるという悪循環をテノールが歌い上げます。
第2楽章の〈秋に孤独な者〉は、アルトの独唱。希望を失い、疲れ果てた者の孤独が切々とうたわれます。
第3楽章の〈青春について〉は、テノール独唱の曲で、楽しい酒宴で戯れる男女の様子を、ドビュッシーの管弦楽曲を思わせる色彩豊かな音楽で軽妙洒脱に描写しています。どこか中国風な雰囲気が漂っているのは、5音音階を用いているためです。
第4楽章の〈美について〉は、アルト独唱によるしなやかな音楽です。花を摘む女性と馬に跨り野を駆ける男を描写しており、そのコントラストで音楽にメリハリをつけています。
第5楽章〈春に酔えるもの〉は、テノールが独唱を受け持ちます。春のうららかさに価値を求めず、ひたすら酔うことで現世のつらさを忘れようとするニヒリスティックな側面が浮き彫りにされています。
第6楽章の〈告別〉は、第2楽章のエコーのような楽章で、アルト独唱によって歌われますが、まるで死の淵へと進むがごとく、足元のおぼつかない音楽が展開されます。死を意識したマーラーの心境がダイレクトに投影された楽章だといえます。

カナダのアルト歌手(CD表記では何故かメゾ・ソプラノ歌手扱い)であるモーリン・フォレスター(Maureen Forrester, 1930-)と、イギリスのテノール歌手であるリチャード・ルイス(Richard Lewis, 1914-1990)を起用したジョージ・セル(George Szell, 1897-1970)の演奏は、ただただ激烈の一言に尽きます。
手兵のクリーヴランド管弦楽団の演奏には一切の無駄がなく、一つ一つの音が、まるでパズルのパーツのように隙間なくはめ込まれています。エモーショナルなものを追いかけるのではなく、オーケストラを徹底的にコントロールして明晰に鳴らすことによって、自然と曲の情緒が峻厳と浮かび上がってきます。
フォレスターは、マーラー作品を得意とした名歌手でしたが、ルイス共々オーケストラのピリピリ感に当てられて、シャキッとした歌唱を披露しています。
ただ、惜しむらくは、本来モノラルであろう音源をリマスタリングでステレオ化しているため、高域の音がかぶさり、オーケストラの音が硬質になってしまっています。

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