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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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◈Leon Levitch: Elegy for Strings, op.20
American Youth Symphony / Mehli Mehta
(Rec. 21 October 1990, Royce Hall, UCLA) Live Recording without Applause
◈Leon Levitch: Symphony No.2, op.18 "The Taos"
American Youth Symphony / Mehli Mehta
(Rec. 2 March 1986, Royce Hall, UCLA) Live Recording with Applause
◈Leon Levitch: Suite for Flute, String Orchestra and Harp, op.7
Sheridon Stokes (Fl)
UCLA Student Chember Orchestra / Mehli Mehta
(Rec. 11 November 1973, Schoenberg Hall, UCLA) Live Recording with Applause


レオン・レヴィッチ(Leon Levitch, 1927-)はユーゴスラヴィア出身の作曲家です。ユダヤ系であったことから、第二次世界大戦中、レヴィッチの家族はイタリアのファシスト政権に追われ、北イタリアを転々とし、強制収容所に収監されたこともあります。戦後はアメリカに渡り、ピアノ調律師をしながら独学で作曲技術を磨いた後、エーリッヒ・ツァイスル、マリオ・カステルヌオーヴォ=テデスコやロイ・ハリスといった作曲家から指導を受け、1970年にカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)で作曲法の学位を取得しています。
レヴィッチの作風は、ジョン・ケージやルー・ハリソンといった前衛音楽の作曲家の作風とは一線を画し、旧来的な和声に基づいた作品を書き続けています。
本CDに収録されているのは、レヴィッチのオーケストラ作品集で、1988年に作曲されたエレジーと、1993年に作曲された交響曲第2番《タオ》、そして、カステルヌオーヴォ=テデスコに作曲を教わっていた1955年に書かれたフルートとハープ付き弦楽オーケストラのための組曲が収録されています。

演奏は、メーリ・メータ(Mehli Mehta, 1908-2002)指揮するアメリカ・ユース交響楽団で、組曲のみULCA学生室内管弦楽団がメータの指揮の下で演奏しています。
メータは、インド生まれの指揮者で、かの名指揮者ズビン・メータの父親にあたります。
息子は世界的な指揮者になりましたが、父親のほうはヴァイオリニスト兼指揮者として母国インドで八面六臂の活躍をした後、アメリカで後進の育成に力を注ぎました。
1964年にULCAのオーケストラ指導の主任に任じられると同時にアメリカ・ユース交響楽団を創設しており、このCDは、そんなメータの仕事を垣間見ることのできる貴重なCDだといえます。

エレジーは、レヴィッチの友人の作曲家エルンスト・トッホの娘の死を悼んで作曲された作品で、哀愁漂うメロディが纏綿と奏でられます。
メータは自分自身がヴァイオリニストだったこともあって、この作品の叙情に共感を示し、深い歌心のある演奏を聴かせてくれます。
交響曲第2番の《タオ》とは、道教の哲理を指し、万物が生起し存在する原理であると同時に、人間の行動の道理も指す言葉です。
第二次世界大戦をホロコーストで過ごした作曲者にとって、新天地のアメリカは新しい人生のはじまりでもありました。レヴィッチは、この曲を書くにあたって、自らの波乱の人生を省み、自らの実存をこの曲に刻みつけようとしたのかもしれません。
20世紀の作品にしては、かなり古い作風の作品ですが、メータはオーケストラをしっかりと統率し、美しいハーモニーを引き出しています。ただ、人生の辛酸を噛み分けるには、オーケストラ団員があまりにも若すぎ、深いコクが生じてこないもどかしさもあります。
最後の組曲では、UCLAの教師でもあるシェリドン・ストークス(Sheridon Stokes, 1935-)がフルート・ソロを務めています。
デンヴァー交響楽団の首席奏者でもあったストークスのフルートは非常に魅力的ですが、ULCAの学生のオーケストラはアメリカ・ユース交響楽団の演奏と比べると、格段に質が落ちます。
細かい音形が不揃いだったり、音程がずれたりと、色々と問題がありますが、いわばアマチュアのオーケストラなので仕方のないことなのかもしれません。
それでも、この組曲の第二曲目である〈アリア〉などでハッとするような歌心を示しているのは、メータの手腕の為せる技なのでしょう。
全体的には、あまり高水準な演奏ではありませんが、きらっと光るものがそこかしこにあり、なかなか楽しめる演奏でした。

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