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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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◈マルティン・ブーバー著 植田重雄訳『我と汝・対話』岩波書店、1979年。


「対話」という言葉自体は、様々な場面で様々に使われて、手垢にまみれています。
日常取り交わす会話も、対話ですし、国家の首脳陣が仰々しく言葉を交わして合意形成を図る場合も対話という言葉が使われます。中には、目に見えない妖精さんと対話しているなんてことを言うメルヘンチックなことを言う人もいるかもしれません。
しかし、ディアローグにせよ、コミュニケーションにせよ、それが自分と相手との関係の中で成り立つものだということは、確かなことです。

オーストリアの哲学者であるマルティン・ブーバー(Martin Buber, 1878-1965)は、この対話の根本を、自分と他者との関係性で捉え、この関係性の探求の中に、自己の存在を見い出そうとしました。ここで取り上げているブーバーの著作は、対話を考える上での古典として知られています。

ブーバーは、自分と、自分と対峙するものの関係を〈我-それ〉と〈我-汝〉という2通りに分けて考えています。
〈我-それ〉という関係で言い表わせるものの代表例は、科学的・実証的に物事を知るということです。例えば、自分の目の前にある岩石が、どういう組成で成り立っているかとか、心理学的知見や行動学的知見で見つめてどういう人間かを見定めたりする場合は、自分との関係は、〈我-それ〉の関係にあります。
そこに自分と対峙している〈それ〉は、分析対象として目の前に現れており、しばしば〈それ〉を道具のように扱うこともあります。
物事や人を相対的に見つめて分析しようとする〈我-それ〉の視点は、確かに分析的に物事を明らかにするのに一役買いますが、それだけでは人間を疎外する道へと進むことになるのではないかと、ブーバーは考えました。
〈我-それ〉の関係のみで生活すれば、お互いが自分以外のものを、自分の思いのままになるような物として扱うことになります。「テメーは黙ってろ!俺の言うことだけきいてりゃいいんだ!」みたいな一方的な言い分は、〈我-それ〉という関係の典型的なものです。

〈我-汝〉の関係は、相手を分析対象として突っぱねたり、自分の思い通りに動かそうとしたりする関係ではありません。
自分が語るとき、相手はそれを聴いています。また相手が語るときは、自分はそれに耳を傾けます。
お互いがお互いの話を聴き合い、話し合うことによって、相互補完的に高めあう関係を築いていくことが、〈我-汝〉の関係であります。
こうした関係性を醸成することで、各々が自分の中に〈永遠の汝〉を形作ることができると、ブーバーは考えました。

万物の真理を明らかにするためには、科学的・実証的な知は欠かすことのできないものであり、だからこそブーバーは〈我-それ〉の関係を持ち出して論述してみせました。しかし、この道具利用的な道へと進みがちな〈我-それ〉の関係へのアンチテーゼとして、ブーバーは〈我-汝〉の関係を持ち出し、個々の人格を考える契機を求めたのでした。
近代科学は、〈我-それ〉の捉え方で様々な物事の因果関係を明らかにし、人々の暮らしの物理的利便性に貢献してきました。しかし、ブーバーがいうような人と人との関わり、ひいては人と世界との関わりについては、小難しい哲学の領域での話ということにされてしまいがちです。
しかし、自らのアイデンティティが強く求められる今日において、自分とは何かということを考えるとき、自分は他者との関係性の中で成り立つものであるという、ブーバーの主張は、とても重みがあり、今日においても有効な主張だと思います。

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