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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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◈Giuseppe Verdi: La Battagria di Legnano
Mario Frosini (Bs: Federico Barbarossa, Marcovaldo)
Albino Gaggi (Bs: Console di Milano1 & 2, Podestà di Como)
Rolando Panerai (Br: Rolando)
Caterina Mancini (S: Lida)
Amedeo Berdini (T: Arrigo)
Edmea Limberti (Ms: Imelda)
Manfredi Ponz de Leon (T: Un Araldo)
Coro di Roma della RAI (Chorus master: Gaetano Riccitelli)
Orchestra Sinfonica di Roma della RAI / Fernando Previtali
(Rec. 1 March 1951, Roma)



ジュゼッペ・ヴェルディ(Giuseppe Verdi, 1813-1901)は、イタリアの作曲家。《レニャーノの戦い》(1849年作)は、ヴェルディにとって通算第13作目に当たる作品です。
この曲が書かれた頃、ヨーロッパ情勢は混沌としていました。
1848年の2月に、フランスの農民や労働者たちが、当時国王だったルイ・フィリップのブルジョワ寄りの政策に反旗を翻したことに端を発し、この動きがドイツやイタリアにまで伝播してしまいました。
フランスは王政の完全廃止によって共和制に移行し、ナポレオン三世が台頭することになりました。
オーストリアのほうでは、ウィーン体制(ヨーロッパ各国の勢力均衡の体制)の主唱者だったクレメンス・メッテルニヒが失脚し、ウィーン体制の崩壊が始まります。
イタリアのほうでは、ダニエーレ・マニンがサン・マルコ共和国の建国を宣言してウィーン体制からの脱却を試み、サルディーニャの国王であるカルロ・アルベルトがオーストリアの影響下から外れようと、オーストリアに宣戦布告しましたが、両者とも不首尾に終わってしまいました。
こうした時代背景の中で作曲された《レニャーノの戦い》は、祖国のオーストリアからの影響からの脱却を夢見るイタリアの人々の愛国心が強く反映されています。
1849年1月27日にローマのアルジェンティーナ劇場で行われたこのオペラの初演は大成功に終わりましたが、イタリアでの革命運動が鎮静化した1850年のジェノヴァでの上演では、聴衆の反応は冷淡だったと言われています。

ヴェルディは、オペラを書くにあたって、ジョセフ・メリ(Joseph Méry, 1797-1866)の戯曲『トゥールーズの戦い』を元に、台本の作成をサルヴァトーレ・カンマラーノ(Salvatore Cammarano, 1801-1856)に依頼しています。
この作品の舞台として選ばれた「レニャーノの戦い」は、1126年に北イタリアのミラノのレニャーノで起こった神聖ローマ帝国軍とロンバルディア同盟軍の戦いで、結果はロンバルティア同盟軍が神聖ローマ帝国軍を追い払うという形で終結しています。
話のあらすじは以下の通りになります。
第1幕 【彼は生きていた】
ロンバルディア同盟とは、ビアツェンツァ、ヴェローナ、ブレシア、ノヴァーラ、ヴェルチェッリ、クレモナといった、20以上のイタリア都市の相互扶助の同盟である。
神聖ローマ皇帝フリードリヒ一世(フェデリコ・バルバロッサ)は、このロンバルディア同盟を蹴散らし、領土拡大をもくろんでミラノに侵攻し、それをロンバルディア同盟軍がレニャーノで押し返そうとしていたのだった。
イタリア万歳を叫んで気勢を上げていたロンバルディア同盟軍の元に、戦死したと思われていたヴェローナの騎士アリーゴが帰還してくる。ミラノのロンバルディア同盟軍の指揮官であるロランドは、親友のアリーゴの帰還を喜び、一同とともにオーストリアからイタリアの国土を守ろうと誓い合うのだった。

ロランドの妻のリーダは、元々アリーゴと恋仲だった。アリーゴ戦死の報を受け、ロランドと結婚したものの。アリーゴのことは忘れられない。侍女を遠ざけて物思いにふけっているリーダのところに、ドイツ側の捕虜であるマルコヴァルドがやってきて、リーダを口説こうとする。そこに侍女がアリーゴ帰還の知らせを伝え、リーダは動揺するのだった。
ロランドがアリーゴを連れてリーダの元に連れてきたとき、アリーゴもまた、恋人のリーダがロランドの妻になっていることに愕然とする。アリーゴとリーダは、ロランドの手前、何とか取り繕おうとするものの、マルコヴァルドは二人の恋仲を見抜いてしまった。
伝令に呼ばれたロランドは、リーダにアリーゴを自分の家に案内するよう言い残して立ち去るが、アリーゴは、リーダの不実を詰り、悲嘆にくれるリーダを置いて立ち去って行った。

第2幕 【バルバロッサ】
ロンバルディア同盟のミラノ軍の大将として、ロランドはアリーゴを連れて、近隣市のコモに協力を要請するが、元々ミラノと仲の良くなかったコモ側は助力を渋る。
そこにフリードリヒ一世が現れ、ロンバルディア同盟などすぐにでも蹴散らせると豪語し、自分の軍隊がミラノを包囲していると言い放つので、ロランドたちは、「死んでも祖国は守る」と叫び、オーストリア軍に宣戦布告をするのだった。

第3幕 【恥辱】
決戦の前日。
アリーゴは特攻隊に志願し、自分の母に手紙を書く。
リーダはアリーゴのことが忘れられず、今一度会いたい旨の手紙を侍女のイメルダに託す。
ロランドは、リーダと子どもに別れを言い、アリーゴを呼んで、妻と子どものことを頼に、アリーゴは動揺しながらもロランドの頼みを聞き入れる。
アリーゴが去ったあとで、マルコヴァルドが現れ、リーダの侍女から奪ったアリーゴへの手紙をロランドに見せ、ロランドは激怒する。

アリーゴの控室に、リーダが現れ、アリーゴに、何故手紙の通りに動いてくれないのかというが、手紙を受け取っていないアリーゴにしてみれば、リーダの言うことがわからない。
そこに激怒したロランドが現れ、アリーゴとリーダを激しく糾弾し、アリーゴの部屋のカギを閉め、アリーゴを戦争に出陣できなくしてしまった。戦争に出られないことは、アリーゴにとって死よりも惨い恥辱である。
アリーゴは、部屋のバルコニーから飛び降り、それを目の当たりにしたリーダは失神してしまう。

第4幕 【祖国のために死ぬ】
人々が、戦場に出て行った人たちのために祈りをささげている。
そこにロンバルディア同盟軍の完全勝利の報が伝えられ、続報としてアリーゴが敵の大将であるフリードリヒ一世に重傷を負わせた知らせが飛び込んでくる。続いて、ロランドとアリーゴが帰還してくるが、アリーゴは既に虫の息だった。
ロランドとリーダが見守る中、アリーゴはリーダの身の潔白をロランドに訴え、イタリア万歳の歓声の中で息を引き取った。
本CDのキャストは以下の通りです。
マリオ・フロシーニ (フリードリヒ一世&マルコヴァルド)
アルビノ・ガッジ (ミラノの第1&第2執政官,コモ市長)
ロランド・パネライ (ロランド)
カテリーナ・マンチーニ (リーダ)
アメデオ・ベルディーニ(アリーゴ)
エドメア・リンベルティ (イメルダ)
マンフレーディ・ポンス・デ・レオン (伝令)
ローマ・イタリア放送合唱団 (合唱指揮:ガエターノ・リッチテッリ)
ローマ・イタリア放送交響楽団/フェルナンド・プレヴィターリ
ロランド・パネライ(Rolando Panerai, 1924-)は、イタリア出身の国際的なバリトン歌手です。非常に広範なレパートリーを持ち、18世紀のオペラから20世紀の作品までこなし、演出家としても活躍していました。
マンチーニ(Caterina Mancini, 1924-)は、ドラマティックなコロラトゥーラ歌手として活躍したイタリア人ソプラノ歌手です。その活動は、同世代のマリア・カラスと比べて地味な印象ですが、イタリア国内ではヴェルディのオペラのスペシャリストとして大いに信頼されていた人でした。
ベルディーニ(Amedeo Berdini, 1919-1964)も、イタリアのドラマティックなテノール歌手で、19世紀のイタリア・オペラに強みを発揮しました。
指揮を務めるプレヴィターリ(Fernando Previtali, 1907-1985)は、ヴィットリオ・グイのアシスタントを経てローマ・イタリア放送交響楽団の首席指揮者として活躍した人です。プレヴィターリは、1951年に、ヴェルディ没後50周年を記念して、彼のオペラの全曲を放送しており、この録音は、そのチクルスの一つに当たります。
党録音は録音の都合上、出演者の歌唱は鮮明にとらえられているものの、オーケストラの音はややピンボケ気味です。
ローマ・イタリア放送のオーケストラの音色も雑然としていますが、プレヴィターリの指導のもと、メリハリはしっかり付いているので、大きな粗はありません。
合唱も最初からかなり熱がこもっており、ヴェルディの没後50年チクルスにかける関係者の熱意のほどが感じられます。
パネライとベルディーニは情感たっぷりに歌い上げてオペラを盛り上げていますが、マンチーニの歌唱は、特にベルディーニの歌唱と比べて、表情づけが一本調子な気もします。

本作品を紹介するうえでは、十分な役割を果たしうる録音ですが、決してベストなパフォーマンスではありません。より精度の高い録音がより多く行われることに期待しましょう。

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