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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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◈Robert Schumann: Manfred, op118
Jörg Gudzuhn (Narrator)
Nora Kaminiczny (S)
Karin Rohde (A)
Kim Schrader (T)
Peter Schulz (Bs)
Jörg Schneider (Bs)
Werner Eberhardt (Bs)
Günther Beyer (Bs)
Sigfried Hausmann (Bs)
Rundfunkchor Berlin (Chorus master: Dietrich Knothe)
Berliner Sinfonie-Orchester / Michael Schønwandt
(Rec. October 1993, Konzerthaus Berlin & Schauspielhaus am Gendarmenmarkt)



ロベルト・シューマン(Robert Schumann, 1810-1856)はドイツの作曲家です。
文筆業、特に批評分野で一家言を成したシューマンでしたが、そんな彼の文学に対する抜群の嗅覚を示す作品として取りざたされる作品の一つが、この《マンフレッド》(1848-1849年作)です。
この劇音楽は、ジョージ・ゴードン・バイロンの書斎劇にインスパイアされて作曲されたものです。
オペラ《ゲノヴェーヴァ》の作曲を完了させたシューマンは、次なる作曲の題材を探していましたが、このバイロンの劇詩を知って発奮しました。しかし、シューマンは、オペラにはせず、マンフレッドの朗読に曲をつける形で作品を書いています。

あらすじは以下の通り。
【第1部】
アルプス地方のマンフレッド伯爵は、人知を越えた叡智を身に付けた超人だった。
恋人のアスターティと仲睦まじく暮らしていたのだが、マンフレッドは、ある日アスターティを自分の手にかけてしまった。その後は自堕落な生活を送っている。
こうした人生に見切りをつけるべく、マンフレッドは妖精たちを召喚する。
呼び出された妖精たちは、マンフレッドに願い事を訊ね、マンフレッドは「全ての忘却」を願う。しかし、妖精は、その願い事を範疇外のこととして、別の願い事をマンフレッドに要求する。
マンフレッドは、「ならば、姿を現せ」と妖精たちに言うが、実体を持たない妖精たちは、どのような姿で出てくればいいかを尋ねる。マンフレッドは妖精たちに、自分たちの考える姿で出てくるように促したが、結果として、妖精たちはアスターティそっくりの姿を現したのだった。
怒ったマンフレッドは、妖精たちを追いまわし、ひどい目にあった妖精たちは、マンフレッドにろくな死に方をしないように呪いをかけて去って行った。
アルプスの崖にたたずむマンフレッドだったが、そこに居合わせた狩人は、マンフレッドを自殺志願者だと勘違いし、自殺を思いとどまらせるために、自分の家にマンフレッドを連れていく。

【第2部】
狩人のもてなしを受け、狩人と別れたマンフレッドは、大地の精霊たちに呼び止められる。
何か悩みでもあるのかと尋ねる大地の精霊たちに、「お前らでは話にならん」と返すマンフレッド。
「いいから話してみろ」という精霊たちに、恋人を殺めてしまったことを話し、「いっそのこと私を殺してくれ」というが、精霊たちは、その願いを聞き入れず、足早に立ち去ってしまう。

アリニマーズ(拝火教のアーリマン?)の館にやってきたマンフレッドは、その場にいた精霊たちから、アリニマーズに跪くよう強要されるが、これを拒否。怒った精霊たちに八つ裂きにされそうになるが、そこにいた三人の宿命の女神の取りなしで、復讐の女神のネメシスに面会することになった。
ネメシスに会ったマンフレッドは、「アスターティを蘇らせろ」といい、ネメシスはアーリマンの助けを借りてアスターティの霊魂の召喚に成功する。
しかし、アスターティの霊魂は、マンフレッドに死期が訪れていることを告げてはかなく消えてしまった。

【第3部】
城に戻ったマンフレッドは死を覚悟する。そこに僧院長が現れ、悪魔と関係を持つと身を滅ぼすと警告されるが、既に時は遅く、マンフレッドの死期は迫っていた。僧院長が浄化を施してマンフレッドを延命しようとするが、マンフレッドは固辞する。
沈みゆく太陽に別れを告げたマンフレッドだったが、そこに悪魔たちが押し寄せて、マンフレッドの魂を奪おうとする。
マンフレッドは、悪魔たちを追い返し、慫慂として死を受け入れるのだった。
本CDでは以下の人たちで演奏されています。
イェルク・グートツーン (朗読)
ノラ・カミニチュニー (S)
カリン・ローデ (A)
キム・シュラダー (T)
ペーター・シュルツ (Bs)
イェルク・シュナイダー(Bs)
ヴェルナー・エーベルハルト(Bs)
ギュンター・ベイヤー(Bs)
ジークフリート・ハウスマン (Bs)
ベルリン放送合唱団(合唱指揮:ディートリヒ・クノーテ)
ベルリン交響楽団/ミヒャエル・シェーンヴァント
主役はドイツ人俳優のグートツーン(Jörg Gudzuhn, 1945-)の朗読で、他の歌手たちはそれぞれちょっとずつしか歌いません。主に合唱とオーケストラと朗読のかけあいに時間が費やされています。
シェーンヴァント(Michael Schønwandt, 1953-)は、デンマークの指揮者で、この録音時には、クラウス・ペーター・フロールの後任としてベルリン交響楽団(2006年からベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団に改称)の指揮者に就任したばかりでした。デンマーク放送交響楽団のポストと兼任でしたが、本録音を聴く限りでは、ベルリン交響楽団のポストもおろそかにせず、一定の演奏水準をしっかり保っているようです。
オーケストラの聴かせどころである序曲では、どっしりとしたサウンドと変幻自在なテンポのギヤ・チェンジがうまく作用していて、聴き手を一気に作品世界に引き込むことに成功しています。
ベルリン放送合唱団の歌唱も、非常にレベルが高く、透明度の高い合唱でオーケストラにピッタリと合わせています。マンフレッドが亡くなるミサ的な場面でも、じっくりとした演奏で厳粛に仕上げており、作品に没入する聴き手の涙を誘います。
また、全曲終了後に、再度序曲を繰り返すことで、マンフレッドの魂が救済されたことを強く印象付けるに足る演出を試みています。

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