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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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CD1:
◈Maurice Ravel: Piano Concerto in G major
Werner Haas (Pf)
Orchestre National de l'Opéra de Monte-Carlo / Alceo Galliera
(Rec. 30 November - 3 December 1968, Monte-Carlo)
◈Maurice Ravel: Gaspard de la nuit
◈Maurice Ravel: Menuet antique
Werner Haas (Pf)
(Rec. 4 July & 23-26 November 1964, Nederland)
◈Maurice Ravel: Menuet sur le nom de Haydn
◈Maurice Ravel: A la manière de ... Borodine
◈Maurice Ravel: A la manière de ... Chabrier
Werner Haas (Pf)
(Rec. 11-16 May 1964, Nederland)
◈Maurice Ravel: Miroirs
Werner Haas (Pf)
(Rec. 4 July & 23-26 November 1964, Nederland)

CD2:
◈Maurice Ravel: Piano Concerto in D major for the left hand
Werner Haas (Pf)
Orchestre National de l'Opéra de Monte-Carlo / Alceo Galliera
(Rec. 30 November - 3 December 1968, Monte-Carlo)
◈Maurice Ravel: Le tombeau de Couperin
◈Maurice Ravel: Prélude
◈Maurice Ravel: Jeux d'eau
◈Maurice Ravel: Sonatine
◈Maurice Ravel: Valses nobles et sentimentales
◈Maurice Ravel: Pavane pour une infante defunte
Werner Haas (Pf)
(Rec. 11-16 May 1964, Nederland)



フランスの作曲家、モーリス・ラヴェル(Maurice Ravel, 1875-1937)のピアノ作品集です。収録曲は以下の通りです。
▤ ピアノ協奏曲 ト長調(1929-1932年作)
▤ 夜のガスパール(1908年作)
▤ 古風なメヌエット(1895年作)
▤ ボロディン風に(1913年作)
▤ シャブリエ風に(1913年作)
▤ 鏡(1904-1905年作)
▤ 左手のためのピアノ協奏曲 ニ長調(1930-1932年作)
▤ クープランの墓(1914-1917年作)
▤ 前奏曲(1913年作)
▤ 水の戯れ(1901年作)
▤ ソナチネ(1905年作)
▤ 高雅で感傷的なワルツ(1911年作)
▤ 亡き王女のためのパヴァーヌ(1902年作)
管弦楽法の大家として知られたラヴェルですが、彼自身はピアノも堪能にし、自分でコンサートも開ける程の腕前を持っていたといわれています。感受性の高かったラヴェルにとって、ピアノ音楽は、その感性で捉えたものを音に写し取るのに、最も手っ取り早い音楽だったのかもしれません。古雅な響きを好んだラヴェルの特性がよく打ち出された作品としては、《古風なメヌエット》や《ソナチネ》、《亡き王女のためのパヴァーヌ》、《クープランの墓》などが挙げられるでしょう。
詩に感性を刺激されて生まれた作品としては、アンリ・ド・レニエの詩句から生まれた《水の戯れ》、アロイジュス・ベルトランの詩集から生まれた《夜のガスパール》が挙げられます。《鏡》は、自分の身の回りの物事から着想した作品です。
ラヴェルが生きていた頃のフランスでは、有名な作曲家のスタイルをカリカチュアにするのが流行しており、シューベルトを意識した《高雅で感傷的なワルツ》、その名の通りの《シャブリエ風に》と《ボロディン風に》が、そうした流行に沿う作品として挙げられると思います。ラヴェルは特にシャブリエの音楽の大ファンであり、たびたび自作にその影響が出ることを警戒していました。
その他、お仕事の一環として、ハイドン没後100年を記念して造られた《ハイドンの名によるメヌエット》や、パリ音楽院の初見演奏用の課題曲である《前奏曲》といった小品も、何気ない時のラヴェルの美意識の高さを示してくれます。
管弦楽法の大家としてのラヴェルと、優れたピアノ音楽作家としてのラヴェルの合流点となるのが、ト長調の両手用のピアノ協奏曲と、ニ長調の左手用のピアノ協奏曲があります。
両手用のピアノ協奏曲は、1928年のアメリカ訪問に味をしめたラヴェルが、二度目の訪問に備えて作曲した作品です。この協奏曲の作曲中に、パウル・ヴィトゲンシュタインから左手のためのピアノ協奏曲の作曲を依頼され、同時進行の形で作曲が進められました。
ト長調の両手用の協奏曲は、アメリカでラヴェルの手で初演される予定でしたが、かねてより体調不良に悩まされていたラヴェルは、医師の助言に従ってアメリカ旅行を取りやめ、マルグリット・ロンをソリストに立てて、ヨーロッパ中を演奏旅行することになりました。ニ長調の左手用の協奏曲のほうは、依頼者のヴィトゲンシュタインの手で初演されましたが、初演時にヴィトゲンシュタインが勝手に独奏パートを改造し、ラヴェルと悶着を起こしています。
ヴィトゲンシュタインがラヴェルの楽譜通りでは演奏不可能だと断じたのを受け、ラヴェルは若手ピアニストのジャック・フェヴリエを独奏者に指名して演奏させ、楽譜通りの演奏が可能であることを証明しました。

本CDの演奏は、ドイツ人ピアニストのウェルナー・ハース(Werner Haas, 1931-1976)が担当しています。協奏曲の伴奏は、アルチェオ・ガリエラ(Alceo Galliera, 1910-1996)の指揮するモンテ・カルロ国立歌劇場管弦楽団(現:モンテ・カルロ・フィルハーモニー管弦楽団)が受け持っています。
ハースは地元のシュトゥットガルトの音楽学校を経てザールブリュッケン音楽院の教授を務めていたヴァルター・ギーゼキングの薫陶を受けたドイツ人ピアニストです。師匠の芸風とレパートリーをそのまま受け継ぎ、ギーゼキングの後継者とまで言われた名人でしたが、フランスのナンシーで交通事故死してしまいました。
ガリエラは、イタリアはミラノに生まれた指揮者です。地元の音楽院で作曲とオルガンの教授となり、指揮者としてもミラノ・スカラ座に登板するなど、第二次世界大戦前から活躍していました。戦中はスイスに亡命していましたが、戦後はヨーロッパ各地のオーケストラに客演し、ウォルター・レッグの創設したフィルハーモニア管弦楽団の指揮者陣に加わって活動の場を広げていました。

ハースは技術的に抜群の安定感を誇り、超絶技巧を見せびらかすこともなく、抑制のきいた表現を聴かせます。しかし、ただ楽譜をなぞるだけの退屈な演奏にはならず、清潔さの中に微量の隠し味が含まれているような含蓄のある美しさがあります。特に《古風なメヌエット》など、古雅な響きの作品では、持ち前の折り目正しさが効いていて、聴き終えた後に清々しさが残ります。
協奏曲でも、ハースは何の苦労も感じさせない、淡麗な演奏を繰り広げています。オーケストラのほうは、ダイナミックな鳴りっぷりは評価できるものの、ハースの独奏と対比すると、肌理の粗さが気になります。

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