[Teldec] フチーク：管弦楽作品集 【WPCS-22055】

---

◈Julius Fučík: Florentiner Marsch, op.214
◈Julius Fučík: Marinarella Ouvertüre, op.215
◈Julius Fučík: Donausagen-Walzer, op.233
◈Julius Fučík: Marsch "Einzug der Gladiatoren", op.68
◈Julius Fučík: Der alte Brummbär
◈Julius Fučík: Winterst&uumr;rme Walzer, op.184
◈Julius Fučík: Herzegowina-Marsch

Czech Philharmonic / Václav Neumann

(Rec. about 1973)

---

---

チェコの国民的作曲家の一人であるユリウス・フチーク(Julius Fučík, 1872-1916)のオーケストラ作品集です。フチークは、プラハ音楽院でアントニーン・ベヴネヴィッツにヴァイオリンを、ルートヴィヒ・ミルデにファゴットを学び、アントニーン・ドヴォルジャークにも弟子入りをして音楽の素養を身につけました。卒業後はチェコ国民劇場管弦楽団(現：チェコ・フィルハーモニー管弦楽団)のファゴット奏者として就職しましたが、すぐにオーストリアのクレムスに行き、ヨーゼフ・ワーグナーの指揮する軍楽隊に入隊してから、軍楽隊での活動に重点を置くようになりました。晩年は、自分の楽隊を率いながら出版商を営もうとして失敗し、極貧のうちに生地プラハで急逝しています。
フチークは生涯に300を超える作品を生み出しましたが、ここではその中から特に上出来とされる７曲が選ばれて演奏されています。その内訳は以下の通り。

---

▤ フローレンス行進曲
▤ 序曲《マリナレーラ》
▤ ワルツ《ドナウの歌》
▤ 行進曲《剣士の入場》
▤ 年老いた熊
▤ ワルツ《冬の嵐》
▤ 行進曲《ヘルツェゴヴィナ》

---

この中でもとくに有名なのが《剣士の入場》で、カナダ人作曲家のルイ・フィリップ・ローレンドーが《雷鳴と電光》という名前でアメリカに紹介してから、サーカスやテーマパークを中心に広く演奏されています。《年老いた熊》も、ファゴットの音色のすっとぼけた味わいを生かした性格小品として人気がありました。

演奏は、ヴァーツラフ・ノイマン(Václav Neumann, 1920-1995)の指揮するチェコ・フィルハーモニー管弦楽団です。ノイマンは、元々ヴィオリストとしてチェコ・フィルハーモニー管弦楽団に在籍していた人ですが、ヴァーツラフ・ターリヒの薫陶を受けて指揮者に転向しています。1968年に、カナダに亡命したカレル・アンチェルの後を受けて、この古巣のオーケストラの首席指揮者となり、レコーディングや演奏旅行を頻繁に行ってオーケストラの知名度向上に尽くしました。
このフチーク作品の録音も、そうした活動の一環として行われたものです。オーケストラとしても、ポピュラー・コンサートの演目として何度も演奏しているお馴染みの曲なので、明るく、楽しく、聴いたことがない曲ですら、親しみを感じさせる演奏に仕上がっています。

---

---