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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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◈Pyotr Ilyich Tchaikovsky: The Seasons, op.37bis
Oleg Boshnyakovich (Pf)
(Rec. 1967, Moscow)
◈Pyotr Ilyich Tchaikovsky: 'January: At the fireside' from The Seasons, op.37bis
◈Pyotr Ilyich Tchaikovsky: 'February: Carnival' from The Seasons, op.37bis
◈Pyotr Ilyich Tchaikovsky: 'June: Barcarole' from The Seasons, op.37bis
◈Pyotr Ilyich Tchaikovsky: 'October: In autumn' from The Seasons, op.37bis
◈Pyotr Ilyich Tchaikovsky: 'November: Troika' from The Seasons, op.37bis
◈Pyotr Ilyich Tchaikovsky: Meditation, op.72-5
Oleg Boshnyakovich (Pf)
(Rec. October 1970, Museum of Pyotr Ilyich Tchaikovsky, Klin)



ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(Pyotr Ilyich Tchaikovsky, 1840-1893)は、19世紀ロシアの代表的な作曲家でした。彼が日常的に作曲していたのはピアノ用の作品でしたが、1月から12月までの季節の風物詩を描き出した《四季》は、そのコンセプトの確かさから、とりわけ人気の高い作品です。この曲集が書き上げられたのは、1875年から翌年にかけてのこと。当時のチャイコフスキーは、バレエ音楽の《白鳥の湖》などの作曲中でした。この12の小品集は、そんな多忙の合間を縫って作曲されたものです。この小品集は、文芸誌『ヌーヴェリスト』からの依頼によるもの。それぞれの月に選ばれた一篇の詩に合う1~4分程度のピアノ小品をつけています。以下に示すのは、チャイコフスキーの作品と共に掲載されていた詩です。
•1月 『炉端で』 〔作:アレクサンドル・プーシキン(Alexander Pushkin, 1799-1837)〕
穏やかな至福の片隅
夜は黄昏に身を包んだ
暖炉の火が少し弱まり
ろうそくの火は燃え尽きた

•2月 『謝肉祭』 〔作:ピョートル・ヴァーゼムスキー(Pyotr Vyazemsky, 1797-1878)〕
活気づいた謝肉祭最終日
もうすぐ宴会は最高潮

•3月 『雲雀の歌』 〔作:ピョートル・マイコフ(Apollon Maykov, 1821-1897)〕
花咲き誇る大地
天には星が渦巻く
雲雀の歌が
青空を埋め尽くす

•4月 『松雪草』 〔作:ピョートル・マイコフ〕
松雪そうの花の色は純粋な青
隣に最後のなごり雪
過ぎ去った悲しみの最後の涙
別の幸せの最初の夢

•5月 『白夜』 〔作:アファナシー・フェート(Afanasy Fet, 1820-1892)〕
素晴らしい夜!喜びに溢れている!
北に生まれたことを私は感謝しよう
氷の国から吹雪と雪
新鮮で清い5月が飛んでくる

•6月 『舟歌』 〔作:アレクセイ・プレシチェーエフ(Aleksey Pleshcheyev, 1825-1893)〕
浜辺に行こう
波が足にキスをする
神秘と悲しみと共に
星が頭上にきらめく

•7月 『草刈人の歌』 〔作:アレクセイ・コルツォーフ(Aleksey Koltsov, 1809-1842)〕
肩よ動け
腕を振れ
正午の風よ
顔に吹きかけろ

•8月 『収穫』〔作:アレクセイ・コルツォーフ〕
作物は育った
家の人たちは背の高いライ麦を根からバッサリ
干し草の山も一緒に入れろ
荷車から夜通しキーキー音がする

•9月 『狩り』 〔作:アレクサンドル・プーシキン〕
時が来た
角笛が鳴る
狩猟服のハンターたちが馬にまたがり
夜明けに猟犬が飛び跳ねる

•10月 『秋の歌』 〔作:アレクセイ・コンスランティノヴィチ・トルストイ(Aleksey Konstantinovich Tolstoy, 1817-1875)〕
みすぼらしい私の庭はボロボロに
黄ばんだ葉が風に靡く

•11月 『トロイカ』 〔作:ニコライ・ネクラーソフ(Nikolay Nekrasov, 1821-1878)〕
寂しさに道路を眺めてはいけない
馬ぞり(トロイカ)を追いかけてはいけない
心の中の憂いや不安は
はやく永遠に消し去ろう

•12月 『クリスマス』〔作:ヴァシリー・ジュコーフスキー(Vasily Zhukovsky, 1783-1852)〕
昔、顕現日の前日に
少女たちは占った
靴を脱ぎ
それを戸のところに放り投げて
この小品集は、『ヌーヴェリスト』の企画の10年ほど後にピアノ小品集としてまとめられました。
グリーグの抒情小曲集を思わせるような三部形式の小品で、メロディの明快さと程良い演奏効果から、今日でも11月の〈トロイカ〉などが、ピアノ・リサイタルのアンコール・ピースとして演奏されます。

本CDで演奏するのは、ロシアのピアニスト、オレグ・ボシュニアコーヴィチ(Oleg Boshnyakovich, 1920-2006)です。ボシュニアコーヴィチは、コンスタンティン・イグムノフとゲンリヒ・ネイガウスに師事した人で、グネーシン音楽大学の教授を務めていました。彼のアプローチは、8月〈収穫〉のような華々しい作品であれ、10月〈秋の歌〉のような鄙びた味わいの作品であれ、悠然とした構えで過不足のない演奏を展開しています。技術的にも盤石なため、響きにむらができることがなく、細部に渡ってコントロールが行き届いています。全曲の録音の後で、クリンのチャイコフスキー博物館所蔵の作曲者の使っていたピアノを用いた録音では、ピアノの響きが淡く、2月〈謝肉祭〉のような音数の多い作品ではガチャガチャした印象になりますが、1月〈炉端で〉や、余白に収録された瞑想曲では、その淡い響きを生かして仄かな寂寥感を醸し出しています。

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