1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
◈Charles Koechlin: Les Heures Persanes, op.65
Radio-Sinfonieorchester Stuttgart des SWR / Heinz Holliger
(Rec. 19-23 January 2004, Stadthalle Sindelfingen)
ガブリエル・フォーレの弟子にして、20世紀フランス音楽の重鎮として活躍したシャルル・ケクラン(Charles Koechlin, 1867-1950)。
彼は、1913年から6年もの月日をかけて、《ペルシャの時》(Les Heures Persanes)というピアノ小品集をまとめました。この小品集は、1921年になって作曲者自身の手によってオーケストラ用に編曲されました。
その作品の内訳は、以下のとおりです。
・出発前の昼寝 Sieste, avent le départ
・キャラバン(昼寝中に見た夢) La Caravane (rêve, pendant la sieste)
・闇夜の登山 L'Escalade obscure
・深い谷間の瑞々しい朝 Matin frais, dans la haute vallée
・街の景観 En vue de la villa
・通りを抜けて À travers les rues
・夕べの歌 Chant du soir
・テラスにかかる月 Clair de lune sur les terrasses
・オーバード Aubade
・真昼の薔薇 Roses au soleil de midi
・大理石の泉のほとりにある日陰で À l'ombre près de la fontaine de marbre
・アラベスク Arabesques
・陽の沈む丘 Les collines au coucher du soleil
・語り部 Le Conteur
- 導入 Introduction
- 漁師と魔人 Le pêcheur et le Genni
- 魔法の宮殿 Le parais enchanté
- 若者の踊り Danse d' adofescents
- 庭にかかる月明かり Clair de lune sur les jardins
・墓地の夕べの安らぎ La Paix du soir, au cimetière
・夜の修道僧 - 砂漠に降り注ぐ月明かり Deviches dans la nuit - Clair de lune sur la place déserte
ケクランは、実際にペルシャの現地で音楽を取材したわけではなく、紀行作家のピエール・ロティの『イスファハンへ』という作品を読んで、想像を膨らませて音楽を書き上げたようです。
また、この作品を書くに当たっては、ジョセフ=アルチュール・デ・ゴビノーの『アジア通信』も参考にしており、〈語り部〉の箇所は、アラビアン・ナイトに着想を得ているようです。
ヤマもなければオチもなく、ひたすら静寂を追いかけるような音楽は、その起伏のなさゆえに、ともすると退屈になってしまう作品ですが、ハインツ・ホリガー(Heinz Holliger, 1939-)指揮するシュトゥットガルト放送交響楽団の演奏は、その静寂を混沌へと帰させることなく、研ぎ澄まされた音で見事に悠久の音風景を表現しています。
〈深い谷間の瑞々しい朝〉や〈テラスにかかる月〉など、ピアニッシモで夜霧を漂わせる弦の音に、ザラついた狂気の気配を盛り込んでいるのは、現代作曲家としてのホリガーの視点でしょうか。
なにはともあれ、狂気と幻想の狭間を行き来する緊張を孕み、静寂の向こう側に何かがぼんやり明滅するのを感じさせるがゆえに、この曲を退屈することなく聴きとおすことが出来ます。
彼は、1913年から6年もの月日をかけて、《ペルシャの時》(Les Heures Persanes)というピアノ小品集をまとめました。この小品集は、1921年になって作曲者自身の手によってオーケストラ用に編曲されました。
その作品の内訳は、以下のとおりです。
・出発前の昼寝 Sieste, avent le départ
・キャラバン(昼寝中に見た夢) La Caravane (rêve, pendant la sieste)
・闇夜の登山 L'Escalade obscure
・深い谷間の瑞々しい朝 Matin frais, dans la haute vallée
・街の景観 En vue de la villa
・通りを抜けて À travers les rues
・夕べの歌 Chant du soir
・テラスにかかる月 Clair de lune sur les terrasses
・オーバード Aubade
・真昼の薔薇 Roses au soleil de midi
・大理石の泉のほとりにある日陰で À l'ombre près de la fontaine de marbre
・アラベスク Arabesques
・陽の沈む丘 Les collines au coucher du soleil
・語り部 Le Conteur
- 導入 Introduction
- 漁師と魔人 Le pêcheur et le Genni
- 魔法の宮殿 Le parais enchanté
- 若者の踊り Danse d' adofescents
- 庭にかかる月明かり Clair de lune sur les jardins
・墓地の夕べの安らぎ La Paix du soir, au cimetière
・夜の修道僧 - 砂漠に降り注ぐ月明かり Deviches dans la nuit - Clair de lune sur la place déserte
ケクランは、実際にペルシャの現地で音楽を取材したわけではなく、紀行作家のピエール・ロティの『イスファハンへ』という作品を読んで、想像を膨らませて音楽を書き上げたようです。
また、この作品を書くに当たっては、ジョセフ=アルチュール・デ・ゴビノーの『アジア通信』も参考にしており、〈語り部〉の箇所は、アラビアン・ナイトに着想を得ているようです。
ヤマもなければオチもなく、ひたすら静寂を追いかけるような音楽は、その起伏のなさゆえに、ともすると退屈になってしまう作品ですが、ハインツ・ホリガー(Heinz Holliger, 1939-)指揮するシュトゥットガルト放送交響楽団の演奏は、その静寂を混沌へと帰させることなく、研ぎ澄まされた音で見事に悠久の音風景を表現しています。
〈深い谷間の瑞々しい朝〉や〈テラスにかかる月〉など、ピアニッシモで夜霧を漂わせる弦の音に、ザラついた狂気の気配を盛り込んでいるのは、現代作曲家としてのホリガーの視点でしょうか。
なにはともあれ、狂気と幻想の狭間を行き来する緊張を孕み、静寂の向こう側に何かがぼんやり明滅するのを感じさせるがゆえに、この曲を退屈することなく聴きとおすことが出来ます。
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