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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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CD1:
◈Olivier Messiaen: Des canyons aux étoiles...
(Beginning)
Yvonne Loriod (Pf)
Georges Barboteu (Hrn)
Alain Jacquet (Xylorimba)
François Dupin (Glo)
Ensemble Ars Nova / Marius Constant
(Rec. July 1975, Église Notre-Dame du Liban, Paris)

CD2:
◈Olivier Messiaen: Des canyons aux étoiles...
(conclusion)
Yvonne Loriod (Pf)
Georges Barboteu (Hrn)
Alain Jacquet (Xylorimba)
François Dupin (Glo)
Ensemble Ars Nova / Marius Constant
(Rec. July 1975, Église Notre-Dame du Liban, Paris)
◈Olivier Messiaen: Hymne au Saint-Sacrement
◈Olivier Messiaen: Les offrandes oubliée
Orchestre Philharmonique de l'O.R.T.F. / Marius Constant
(Rec. March 1971, Studio 103, O.R.T.F., Paris)



2008年は、フランスの作曲家であるオリヴィエ・メシアン(Olibier Messiaen, 1908-1992)の生誕100年です。
このCDでは、《峡谷から星たちへ…》、《聖体秘蹟の讃歌》、《忘れられし捧げもの》の3作品を収録しています。
《峡谷から星たちへ…》では、メシアン夫人のイヴォンヌ・ロリオ(Yvonne Loriod, 1924-)、パリ管弦楽団の首席奏者だったジョルジュ・バルボトゥ(Georges Barboteu, 1924-2006)、フランス人パーカッショニストのフランソワ・デュパン(François Dupin)などが参加しています。アンサンブル・アルス・ノヴァを率いるマリウス・コンスタン(Marius Constant, 1925-2004)は、ルーマニア出身の作曲家兼指揮者で、メシアンの門下生だった人です。
アンサンブル・アルス・ノヴァは、1969年にコンスタンが立ち上げた同時代の音楽演奏を専門とする音楽集団で、メシアンの作品を演奏するにはうってつけのアンサンブルだといえます。

1970年からムジカ・エテルナの委嘱を受けて書かれた《峡谷から星たちへ…》は、1974年に完成し、ニューヨークで初演されています。この作品を書くに当たって、メシアンはユタ州のブレイス・キャニオンとザイオン国立公園を訪れたことを明かしています。広大な自然の風景に触れることで、自然と神の合一に思いを馳せたと考えられます。
この曲は、

・砂漠 Le désert
・ムクドリモドキたち Les Oriolese
・星たちの上に書かれているもの… Ce qui est écrit sur les étoiles...
・マミジロオニヒタキ Le cossyphe d'Heuglin
・シーダー・ブレイクスと畏怖の賜物 Ceder Breaks et le Don de Crainte
・恒星の呼び声 Appel interstellaire
・ブレイス・キャニオンと赤橙色の岩 Bryce Canyon et les rochers rouge-orange
・甦りしものとアルデバランの歌 Les ressucités et le chant de l'étoile Aldébaran
・マネシツグミ Le moqueur polyglotte, avec Oiseau-Lyre et Siffleur doré
・モリツグミ La Grive des bois
・オマオ、ソウシチョウ、エレパイオ、シキチョウ Omao, Leithrix, Elepaio, Shama
・ザイオン公園と天国 Zion Park et la Cité Céleste

という13の曲からなります。
グロッケンシュピールのほかに、アラン・ジャケ(Alain Jacquet)が演奏するシロリンバ(ザイロリンバ)、タムタムやゴング、風音機や太鼓に砂をつめた「ジュオホーン」という創作楽器が用いられおり、サウンド面での工夫も偲ばれます。
〈マネシツグミ〉などのように、ピアノのカデンツァみたいな箇所もあるかと思えば、〈恒星の呼び声〉のように難易度の高いホルン独奏のパートもあり、並大抵のホルニストでは太刀打ちできません。
それゆえわざわざメシアン夫人やフランス随一の名手バルボトゥを招き、不備のない演奏を展開しているのです。
今日では、イアン・ペイスのような怪物ピアニストが台頭してきており、ロリオ以上の切れ味の演奏が実現できそうな勢いですが、まだまだロリオたちの演奏は、その価値を減じていません。

《聖体秘蹟の讃歌》と《忘れられし捧げもの》では、コンスタンはフランス放送フィルハーモニー管弦楽団を振っています。
《聖体秘蹟の讃歌》は、ピアノ用の前奏曲として1929年に作曲され、1932年にオーケストラ用に編み直された作品です。
メシアンは、音から色彩を感じることの出来る共感覚の持ち主で、そうした音と色の関係を、この作品で表現しようとしました。
冒頭のしなる弦楽器の強靭な音色は金色と茶色の色彩、管楽器の台頭の箇所は赤とオレンジ色のストライプ、美しい弦のトレモロ合奏はオレンジ色と乳白色のイメージなのだとか。コーダの高らかなトランペットは金色と緑色のイメージを表現しているようです。ドビュッシーの和声をさらに進め、ストラヴィンスキーのバレエのような賑々しさを感じさせるその音楽には、若さが漲っています。
《聖体秘蹟の讃歌》のオーケストレーションを施す1年前に作られたのが、《忘れられた捧げもの》です。
この音楽でも、色彩と和音が結び付けられていますが、人間の原罪をモチーフにしたこの作品では、セザール・フランクの《呪われた狩人》の猛々しい魔人の追跡を思わせます。
コンスタンは、静謐で宗教的なピアニッシモから、猟奇的でダイナミックなフォルテッシモまで自在に引き出し、メシアンの色彩的な作品を、それこそ極彩色のパレットで余すところなく表現しているように聴こえます。
シャガールの絵画を耳で味わうと、多分初期のメシアンのオーケストラ曲のようになるんだろうかと考えさせられます。

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