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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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◈Alban Berg: Kammerkonzert
Roland Charmy (Vn)
Jacques Monod (Pf)
Paris Chamber Orchestra / René Leibowitz
(Rec. Unknown)
◈Arnold Schoenberg: Pierrot Lunaire, op.21
Ellen Adler (vo)
Claude Helffer (Pf)
Jean-Pierre Rampal (Fl & picc)
Ernest Briand (Cl)
Andre Dupont (Bs-Cl)
Francis Villers (Vn)
Colette Lequien (Vla)
Sean Barati (Vc) / René Leibowitz
(Rec. 1951)



ルネ・レイボヴィッツ(René Leibowitz, 1913-1972)はポーランドのワルシャワに生まれた音楽学者、作曲家、指揮者です。彼の出生地については、ラトヴィアのリガの出身だと言われることはありますが、おそらく、親戚でイスラエルに定住した哲学者のイェシャヤフ・レイボヴィッツの出生地と混同してのことだと思います。
レイボヴィッツは、アルノルト・シェーンベルク(Arnold Schoenberg, 1874-1951)やアントン・ウェーベルンのほかに、モーリス・ラヴェルの薫陶も受けています。
特に、シェーンベルクらから十二音音楽の極意を教わっており、十二音音楽の理論家として名を馳せました。ピエール・ブーレーズやピエール・アンリ、ベルント・アロイス・ツィンマーマンといった、20世紀の音楽史に名を残す人たちの多くが、レイボヴィッツの教えを受けています。
指揮者としてのレイボヴィッツは、フリーの立場で演奏活動をしており、特定のポストを歴任したという実績はありません。ただし、リーダーズ・ダイジェストの頒布レコードとして通俗名曲集やルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンの交響曲全集などを録音しており、それらの録音を通じて指揮者としてのレイボヴィッツは名をとどめています。
十二音音楽の使徒としてのレイボヴィッツは、師のシェーンベルクらの作品の紹介にも熱心でしたが、そうした熱意は、本CDに収録された録音からも窺えます。本CDは、兄弟子のアルバン・ベルク(Alban Berg, 1885-1935)が作った室内協奏曲と、師のシェーンベルクが作った《月に憑かれたピエロ》を収録しています。

ベルクの作品は1923年から2年かけて作られた室内協奏曲で、ヴァイオリンとピアノと13の管楽器で演奏されます。
この作品は本来、シェーンベルクの50歳のお祝いに演奏するはずでしたが、結局期日に間に合わず、自分自身の40歳のお祝いに演奏することになりました。
この作品では、師匠のシェーンベルクや盟友のウェーベルンなどの名前のつづりを音名で出来る限り組み込み、自分の名前も入れることで、自分達の結束の固さを確認しています。
ヴァイオリンはローラン・シャルミー(Roland Charmy, 1908-1987)、ピアノはレイボヴィッツの門人で作曲家でもあったジャック・モノー(Jacques Monod, 1927-)が担当し、伴奏はパリ室内管弦楽団が行っています。
レイボヴィッツは、込み入ったテクスチュアを明確にしようと、一音一音かみ締めるように演奏しています。
シャルミーのヴァイオリンも、モノーのピアノも、十二音音楽という技法で作られた曲の耳慣れなさを緩和しようと、情感の注入を試行錯誤しています。
結果として、勢いには欠けますが、非常に含蓄のある演奏に仕上がっています。

エレン・アドラー(Ellen Adler, 1927-)をヴォーカルに迎えた《月に憑かれたピエロ》は、シェーンベルクの1912年の作品。
シュプレヒシュティンメを用いた本作品は、その語りとも歌唱ともつかないパフォーマンスと、アルベール・ジローの詩の荒唐無稽な世界が融和し、シェーンベルクによる無調音楽探求の一里塚となっています。
調性がないとはいえ、でたらめに音を並べているわけではなく、パッサカリアやカノンなどの作曲技法などが適宜使われています。
器楽伴奏の書法も周到で、ピアノ、フルート(ピッコロと持ち替え)、クラリネット、バスクラリネット、弦楽三重奏(ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ)という、多様な奏者をとっかえひっかえしながら、どの曲にも同じような響きがひとつとしてないような音楽を作り上げています。
本録音では、当時若手のフルーティストとして売り出し中だったジャン・ピエール・ランパル(Jean-Pierre Rampal, 1922-2000)やクロード・エルフェ(Claude Helffer, 1922-2004)を筆頭に、クラリネットのエルネスト・ブリアン(Ernest Briand)、バス・クラリネットのアンドレ・デュポン(Andre Dupont)、ヴァイオリンのフランシーヌ・ヴィラール(Francis Villers)、ヴィオラのコレット・ルキアン(Colette Lequien)、チェロのソン・バラティ(Sean Barati)といった人たちが参加しています。
ランパルのふくよかなフルート音色が特に耳をひきつけますが、ブリアンやデュポンのクラリネットの音色も洒落ていて美しく、全体的に表情豊かな伴奏になっています。こうした個性的で雄弁な演奏家達を揃えながら、特定のパートが目立たないのは、レイボヴィッツの卓越した采配ゆえのことでしょう。

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