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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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CD1:
Carl Nielsen: Symphony No.1 in G minor, op.7
The Danish Radio Symphony Orchestra / Erik Tuxen
(Rec. 6 June 1957, Denmarks's Radio Studio 1) Live Recording without Applause
Carl Nielsen: Symphony No.2, op.16 "The Four Temperaments"
The Danish Radio Symphony Orchestra / Launy Grøndahl
(Rec. 7 June 1956, Denmark's Radio Studio 1) Live Recording with Applause

CD2:
Carl Nielsen: Symphony No.3, op.27 "Sinfonia espansiva"
The Danish Radio Symphony Orchestra / Thomas Jensen
Kirsten Hermansen (S)
Erik Sjøberg (Br)
(Rec. 20 June 1959, Denmark's Radio Studio 1) Live Recording withwout Applause
Carl Nielsen: Symphony No.4, op.29 "The Inextinguishable"
The Danish Radio Symphony Orchestra / Thomas Jensen
(Rec. 2 September 1952, Denmark's Radio Studio 1) Live Recording with Applause

CD3:
Carl Nielsen: Symphony No.5, op.50
The Danish Radio Symphony Orchestra / Elik Tuxen
(Rec. 22 April 1955, Paris) Live Recording with Applause
Carl Nielsen: Symphony No.6 "Sinfonia Semplice"
The Danish Radio Symphony Orchestra / Thomas Jensen
(Rec. 17-19 June 1952, Denmark's Radio Studio 1)




デンマーク人作曲家のカール・ニールセン(Carl Nielsen, 1865-1931)の交響曲全集です。
デンマーク放送交響楽団の演奏で、第1番と第5番の交響曲をエリク・トゥクセン(Elik Tuxen, 1902-1957)、第2番の交響曲をラウニー・グレンダール(Launy Grøndahl, 1886-1960)、第3番、第4番、第6番をトーマス・イェンセン(Thomas Jensen, 1898-1963)が指揮しています。

トゥクセン(「タクセン」とも表記)は、ドイツ生まれの指揮者で、作曲家のエルンスト・トッホの薫陶を受けた人。リューベックの歌劇場やコペンハーゲンの王立劇場、ノアブローの歌劇場などの指揮者として経験を積む一方、ジャズにも熱中し、自分でジャズ・バンドを結成しています。1936年からデンマーク放送交響楽団の指揮者陣に加わり、特にC.ニールセンの交響曲の解釈で定評を得ました。
グレンダールは、ルドルフ・ニールセンに作曲を学び、アクセル・ゲーゼ(ニルス・ゲーゼの子息)にヴァイオリンを学んだデンマークの人。8歳でヴァイオリンをものにし、13歳でコペンハーゲンのカジノ劇場でヴァイオリニストとして働いていたそうです。1926年のデンマーク放送交響楽団の旗揚げに参加し、デンマークを代表する指揮者として活躍しました。
イェンセンは、コペンハーゲンに生まれ、デンマーク王立音楽院でチェロを専攻していた人。王立音楽院ではニールセンの謦咳にも接し、トゥクセンやグレンダールと並ぶC.ニールセンの演奏解釈の権威として知られていました。指揮者としては、1935年にオーフス市管弦楽団(現:オーフス交響楽団)の創立指揮者として名を上げ、デンマーク放送交響楽団をはじめとするデンマーク各地のオーケストラに客演して、自国の音楽の啓発に力を入れていました。

第1番(1891-1892年作)は、当時のニールセンの上司だったヨハン・スヴェンセンの交響曲を下敷きにし、ヒロイックな音楽になっています。トゥクセンの演奏はどっしりとした演奏で、飛び切り上等とはいえないコンディションのオーケストラから充実した響きを引き出しています。
第2番(1901-1902年作)は、「4つの気質」というタイトルがつけられていますが、この「4つの気質」とは古代ギリシャのヒポクラテスにルーツを持つ人間の四気質を指します。この四つの気質とは、怒りっぽい「胆汁質」、冷静で知的な「粘液質」、陰鬱で物思いに沈みがちな「憂鬱質」と陽気で活発な「多血質」の4つから成ります。ニールセンが友人たちと家族を交えて酒場でビールを飲んでいたとき、その酒場に飾ってあった四気質に基づく絵を見て、作曲を思い立ったといわれています。4つの楽章のそれぞれの発想標語にもみられるように、四気質の性格を映し出そうとしているのが特徴ですが、標題音楽ではないと見做されます。
この録音はグレンダールの引退コンサートの記録だそうで、オーケストラが意外と高い結束力を発揮し、熱演を繰り広げています。

第3番《広がりの交響曲》(1910-1911年作)と第4番《消しがたきもの》(1914-1916年作)は、ニールセン壮年期の作品です。
スヴェンセンの影響が次第に薄まり、独自の作風を確立しようとしていた時期の作品であり、第3番の第二楽章では、男声と女声をハミングで登場させるという創意工夫を見せています。
この男声をエリク・ショーベリ(Erik Sjøberg, 1909-1973)が、女声をキルステン・ヘルマンセン(Kirsten Hermansen, 1930-)が担当しています。
イェンセンはダイナミックにオーケストラを操り、この時期のドラマティックな交響曲2曲をゴージャスに演奏しています。

第5番(1922年作)は、この交響曲を校訂したトゥクセンの演奏。第1番の交響曲よりも自信の漲った演奏を展開しています。第4番では戦争の不条理を糾弾したニールセンでしたが、そうしたメッセージ性をあまり表に出さず、小太鼓のスネアを使って軍隊の記憶をパッチワーク的に使うことにより、含蓄のある音楽に仕上げています。
肯定と否定、現実と夢想の狭間を揺れ動くようなこの交響曲は、非常に哲学的な含蓄に富んでいます。
第6番《素朴な交響曲》(1924-1925年作)は、グロッケンシュピールの音色をふんだんにちりばめて、童話の世界のような音楽を作り上げています。ところどころ岩石のような晦渋さも顔を覗かせますが、ニールセンの音楽としては、かなり自由闊達な音楽になっています。形式に頓着しなくなったことで、ニールセンと同時代の音楽を、彼なりに大胆に盛り込み、これまでの交響曲にはなかった哄笑するような雰囲気を纏っているのが面白いところです。
イェンセンの指揮は、晦渋だといわれる音楽を茶目っ気たっぷりに演奏し、楽しく聴かせてくれます。

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