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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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CD1:
◈Robert Schumann: Piano Concerto in A minor, op.54
Peter Frankl (Pf)
Bamberg Symphony Orchestra / János Fürst
(Rec. 1974)
◈Robert Schumann: Konzertstück for Four Horns and Orchestra in F major, op.86
Francis Orval (1st Hrn)
François Tommasini (2nd Hrn)
Robert Desprez (3rd Hrn)
Robert Janssens (4th Hrn)
Orchestra of Radio Luxembourg / Pierre Cao
(Rec. 1970s)
◈Robert Schumann: Cello Concerto in A minor, op.129
László Varga (Vc)
Westphalian Symphony Orchestra / Siegfried Landau
(Rec. July 1975)

CD2:
◈Robert Schumann: Violin Concerto in D minor
Susanne Lautenbacher (Vn)
Orchestra of Radio Luxembourg / Pierre Cao
(Rec.December 1974)
◈Robert Schumann: Fantasy forViolin and Orchestra in C major, op.131
Ruggiero Ricci (Vn)
Leipzig Gewandhaus Orchestra / Kurt Masur
(Rec. March 1973)
◈Robert Schumann: Introduction and Allegro in D minor, op.134
Peter Frankl (Pf)
Bamberg Symphony Orchestra / János Fürst
(Rec. 1974)



ドイツの作曲家、ロベルト・シューマン(Robert Schumann, 1810-1856)の独奏楽器とオーケストラのための協奏作品をCD2枚に詰め合わせたアルバムです。未完成の断片的なものは収録されていません。

ピアノ協奏曲と《序奏とアレグロ》の2曲は、ペーター・フランクル(Peter Frankl, 1935-)のピアノ独奏と、ヤーノシュ・フュルスト(János Fürst, 1935-2007)の指揮するバンベルク交響楽団による演奏です。
フランクルもフュルストもハンガリー出身の人。両者ともフランツ・リスト音楽院に学び、フランクルはアーコス・ヘルナーディにピアノを学び、ゾルターン・セーケイやレオ・ウェイネルらに室内楽を教わっています。1955年のロン=ティボー国際音楽コンクールのピアノ部門で第6位に入賞し、1962年にロンドン・デビューでピアニストとしての名声を確立し、1967年にはアメリカに渡ってジョージ・セルの指揮するクリーヴランド管弦楽団と共演して脚光を浴びました。また、アルトゥル・シュナーベル門下のマリア・クルチオの下で技に磨きをかけています。レパートリーは18世紀から同時代まで幅広く、なんでもござれの様相ですが、シューマンのピアノ音楽は、網羅的に録音する程に入れ込んでいます。
フュルストはフランツ・リスト音楽院でヴァイオリンを学び、ブリュッセル経由でパリ音楽院に留学してプルミエ・プリを取ったほどのヴァイオリンの名手でした。1958年にアイルランド放送交響楽団(現:アイルランド国立交響楽団)に入団してコンサート・マスターを務めるようになり、1963年にはアイルランド室内管弦楽団を結成して指揮活動も行うようになりました。アルスター管弦楽団が1966年に創設された時にはコンサート・マスターとして創立に参加し、すぐに副指揮者として指揮法の研鑽に励んでいます。本録音時は、アルスター管弦楽団の副指揮者からマルメ交響楽団の音楽監督に転出し、指揮者として売り出し中でした。
フランクルのピアノ演奏は、あまりでしゃばらず、オーケストラと歩調を合わせるのを好むタイプ。細やかな心配りで、オーケストラの音色とのブレンドに心を砕いています。ピアノ協奏曲では全編を通して強いインパクトはないものの、一服の清涼剤のような爽やかさがあります。フュルストの指揮するバンベルク交響楽団も、メリハリをつけながらピアノにぴったりと寄り添う演奏。特に第2楽章は、仲睦まじき対話に心がなごみます。両端楽章では、独奏もオーケストラも、各々のテリトリーで非の打ちどころのないくらいにしっかりとした演奏を展開しており、両者がイニシアチブを取らない分、強烈な個性を持つに至っていませんが、作品の魅力を知るには過不足ない演奏に仕上がっています。《序奏とアレグロ》も、作品を知るにはオーソドックスな演奏ですが、もう少し競り合いのスリルが欲しいところです。

ヴァイオリンとオーケストラの協奏作品では、ニ短調のヴァイオリン協奏曲とヴァイオリンとオーケストラのための幻想曲の2曲を収録。ヴァイオリン協奏曲は、シューマンが亡くなる3年前の10月から11月にかけて、ヨーゼフ・ヨアヒムから依頼を受けて作曲された作品です。しかし、作品を受け取ったヨアヒムは、クララ・シューマンに相談して作品を封印してしまい、1907年に亡くなりました。亡くなる際にヨアヒムは、自分の持ち物を全てプロイセン図書館に寄贈しましたが、1937年になってドイツ人音楽学者のヘルマン・シュプリンガーが手稿を発見したことで作品が明るみになり、当該図書館の館長のゲオルク・シューネマンが校訂して出版される運びになりました。作品の初演を巡って、ヨアヒムの末裔のヴァイオリニストであるイェリー・ダラーニー、アメリカのヴァイオリニストであるイェフディ・メニューイン、ドイツのヴァイオリニストであるゲオルク・クーレンカンプがソリストに名乗りを上げましたが、ナチスのごり押しでクーレンカンプが1937年11月26日にカール・ベームのタクトで初演しています。この際、クーレンカンプが弾きやすいように手を加えた上、パウル・ヒンデミットがオーケストレーションに手を入れています。メニューインはその年の12月5日にカーネギー・ホールでピアノ伴奏で演奏した後、12月23日にセントルイスに於いてヴラディミール・ゴルシュマンのタクトで演奏しています。ダラーニーは、1933年に交霊術でシューマンの霊に作品の初演を託されたとしながらも、1938年2月16日にようやくイギリス初の演奏に漕ぎ着けています。
曲は3つの楽章からなり、第2楽章がシューマンの自信作です。この第2楽章の主題はシューマン曰く「天使に教えてもらった」とのことで、息の長いメロディの美しさをひたすら愛でる音楽になっています。この主題に抑揚をつけていく形で第3楽章に滑り込みますが、オーケストラと独奏のやりとりに不安定さはあるものの、フィナーレらしい華麗さと躍動感はしっかり出ています。
本CDの演奏は、ズザンネ・ラウテンバッヒャー(Susanne Lautenbacher, 1932-)とピエール・カオ(Pierre Cao, 1937-)の指揮するルクセンブルク放送管弦楽団(現:ルクセンブルク・フィルハーモニー管弦楽団)によるものです。ラウテンバッヒャーは、カール・フロイントやヘンリク・シェリング等の薫陶を受け、1965年からシュトゥットガルト音楽院の教授を務めていた閏秀のヴァイオリニスト。レパートリーは18世紀以前の作品から同時代の新作初演までこなす程に広く、いかなる難曲もじっくりと落ち着いた演奏を披露します。このシューマンの協奏曲でも、派手さを好まぬラウテンバッヒャーの芸風が、第1楽章の鬱蒼とした音楽にぴったりとマッチしています。第2楽章以下に於いても、急がず焦らず、一音一音の意味を確かめるような演奏が、作品の内面的なものを引き出すような説得力を持ちます。伴奏の指揮をするカオは、ブリュッセル音楽院で指揮法と作曲を学び、作曲家としても活動しているルクセンブルク出身の指揮者です。1968年のニコライ・マルコ国際指揮者コンクールに出場してルイ・ド・フロマンの知己を得、フロマンのアシスタントとして研鑽を積みました。その後は指揮法の教師として合唱指揮を手掛け、1999年からはアルシス・ブルゴーニュという合唱団を率いています。ルクセンブルク放送管弦楽団との伴奏は、多少粗いところがあるものの、第3楽章ではラウテンバッヒャーの独奏に呼吸をぴったり合わせ、作品本来の躍動感を引き出しています。
ヴァイオリンとオーケストラのための幻想曲は、ヴァイオリン協奏曲を手掛ける直前に完成した作品です。その年の10月27日(一説では1854年1月半ば)にデュッセルドルフでヨアヒムの独奏と作曲者自身で初演されました。ヴァイオリン協奏曲の各楽章に現れるパッセージが顔をのぞかせ、シューマンにとってはヴァイオリン協奏曲を書くにあたっての腕慣らしの意味もあったものと思われます。
演奏はルッジェーロ・リッチ(Ruggiero Ricci, 1918-)のヴァイオリン独奏とクルト・マズア(Kurt Masur, 1927-)の指揮するライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団が担当しています。リッチの際どい音程がスリルを生み出していますが、このスリルは作品の本質とは類縁を持ちません。マズアがどっしりとした音楽を作ろうとしているのに対し、リッチのヴァイオリンはニコロ・パガニーニの作品でも弾くかのように軽い音色でひょいひょいと弾いており、表現の方向性がチグハグなので、シューマンならではの夢幻が立ち現れないもどかしさがあります。ただ、ヨアヒム作と伝えられる終盤のカデンツァは、リッチの手にかかると、まるでパガニーニのカプリースの応用のように聴こえ、大変ユニークです。

4本のホルンと管弦楽のためのコンチェルトシュテュックは、1849年に作られ、翌年の2月25日にライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の演奏会で初演されました。ホルンは当時様々な改良が施されていた楽器で、シューマンにしてみれば、ホルンの表現の可能性を探求するつもりで、この曲の構想を練ったものと思われます。また、シューマンは、当時ヨハン・ゼバスティアン・バッハの4台用のチェンバロ協奏曲を調べていたので、そこで得た知見が作品に影響したのかもしれません。
演奏は、フランシス・オルヴァル(Francis Orval, 1944-)、フランソワ・トマジーニ(François Tommasini)、ロベール・デプレ(Robert Desprez)、ロベール・ヤンセン(Robert Janssens, 1939-) の4名がホルンを吹き、カオの指揮するルクセンブルク放送管弦楽団が伴奏を務めています。オルヴァルらはルクセンブルク放送管弦楽団の奏者で、ベルギー出身者の模様。ホルンセクションに関しては、なかなか堂々とした好演で、緩徐楽章でも型崩れしません。カオの指揮するオーケストラは、ヴァイオリン協奏曲の時よりも雑然としていますが、締めるところはきっちり締めているので、程良くメリハリが効いています。圧倒的な名演奏という程ではありませんが、演奏のほっこりした雰囲気が朗らかな曲想とマッチして、なかなかの聴き応えがあります。

チェロ協奏曲は、1850年にデュッセルドルフ市の音楽監督となった際に作られた作品。ヨアヒムが演奏できるように、チェロ・パートをシューマン自身がヴァイオリン用に移し換えたバージョンも存在します。楽譜は生前に出版されたものの、初演は死後になって行われたらしく、1860年6月9日にライプツィヒ音楽院に於いて、ルートヴィヒ・エーベルトのチェロ独奏とピアノ伴奏で行われたのが最初の公開演奏のようです。3つの楽章からなるものの、独奏とオーケストラがイニシアチブをとり合うようなスタンスでは作られておらず、オーケストラが独奏の肉付けに専心しています。チェリストにとっては、のべつ幕無しにチェロを弾き続け、結構難技巧を要求する割に、アントニーン・ドヴォルジャークのような大向こうを唸らせる効果が期待できないので、ちょっと腰の引けてしまう作品です。ただし、至難の技巧という点ではチェリストの闘争心を掻き立てるものがあるらしく、古今のチェリストがこぞって録音を残しています。
本CDの演奏は、ラーズロー・ヴァルガ(László Varga, 1924-)のチェロ独奏とジークフリート・ランダウ(Siegfried Landau, 1921-2007)の指揮するヴェストファーレン(ウェストファリア)交響楽団の演奏です。ヴァルガは、ヤーノシュ・シュタルケルの師でもあるアドルフ・シッファーに学んだハンガリー出身のチェリストで、レナー四重奏団の晩期のチェリストを担当したり、ニューヨーク・フィルハーモニック交響楽団の首席奏者を歴任したりしました。ランダウはドイツはベルリン生まれの人で、シュテルン音楽院、クリントヴォルト=シャルヴェンカ音楽院を経てアメリカに渡り、ピエール・モントゥーに指揮法を師事し、1955年にブルックリン・フィルハーモニアの指揮者として活動を始めました。1961年から1981年までウェストチェスター交響楽団(現:ホワイト・プレーンズ交響楽団)の首席指揮者を務めていましたが、1973年から2年ほどドイツのレックリングハウゼンにあったヴェストファーレン交響楽団の首席指揮者も兼任していました。なお、ヴェストファーレン交響楽団は、1996年にゲルゼンキルヒェン市のオーケストラと合併し、新ヴェストファーレン・フィルハーモニー管弦楽団に改組しています。
ヴァルガの独奏は中々しっかりしていて、細かい音形も誤魔化さずに明快に弾き切っています。両端楽章の技巧の冴えは、作品が醸し出す渋さとは無縁ですが、暗欝さに沈みそうなシューマンを外に引っ張り出さんばかりの躍動感があって楽しく聴くことができます。第2楽章も内省的なメロディを朗々と歌い上げ、ポジティヴな演奏に染め上げています。ヴェストファーレン交響楽団の伴奏は、所々に挟みこまれるトゥッティでアンサンブルの粗さが露呈しますが、チェロに入れる合いの手はニュアンスに富んでおり、ヴァルガの芸風に傷をつけるようなことはありません。

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