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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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Sergei Rachmaninov: Piano Concerto No.3 in D minor, op.30
William Kapell (Pf.)
Tronto Symphony Orchestra / Ernest Macmillan
(Rec. 13 April 1948) Live Recording with Applause
Aram Khachaturian: Piano Concerto in D flat major
William Kapell (Pf.)
NBC Symphony Orchestra / Frank Black
(Rec. 20 May 1945) Live Recording with Applause






本CDは、アメリカのピアノ奏者、ウィリアム・カペル(William Kapell, 1922-1953)が弾くセルゲイ・ラフマニノフ(Sergei Rachmaninoff, 1873-1943)のピアノ協奏曲第3番とアラム・ハチャトゥリアン(Aram Khachaturian, 1903-1978)のピアノ協奏曲をカップリングしています。音質は放送音源としてもさほど優秀ではなく、持続ノイズが目立ちます。

ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番(1909年作)は、1909年11月28日に作曲者自身のピアノ独奏とウォルター・ダムロッシュの指揮するニューヨーク交響楽団により、カーネギーホールで初演された作品です。ラフマニノフのアメリカへの演奏旅行の手土産として作られましたが、3楽章構成ながら演奏時間に40分以上かかります。評論家筋がその長さを糾弾したため、カットを施して演奏してもよいことになり、ラフマニノフが晩年に行った自作自演の録音でもカットを施しています。
第1楽章にはカデンツァが置かれていますが、ラフマニノフは2種類のカデンツァを用意しています。差し替え用の2つ目のカデンツァのほうが長く難易度が高いものの、通常用のカデンツァも充分の演奏効果があります。カペルが用いているのは、通常用のカデンツァです。

ハチャトゥリアンのピアノ協奏曲(1936年作)は、作曲者がピアノ奏者でなかったことから、初演者のレフ・オボーリンに技術上の助言を受けながら作曲しました。その作品は、ゲンリヒ・ネイガウスやコンスタンティン・イグムノフといった当時のロシア・ピアノ界の大御所たちに名曲として太鼓判を押され、1937年7月12日にモスクワはソコーリニキ公園の野外劇場でレフ・シテインベルクの指揮するモスクワ・フィルハーモニー管弦楽団(実際は臨時編成の混成オーケストラ)との共演で初演が行われました。この初演は不成功でしたが、オボーリンが積極的にいたるところで演奏して回ったことで高く評価されるようになりました。アメリカで演奏されるようになったのは、ハチャトゥリアンと同じアルメニア出身のピアノ奏者、マロ・アジェミアンがニューヨークで紹介してからのことです。カペルもこの曲を得意とし、「ハチャトゥリアン・カペル」という渾名までつけられるほどに弾きこなしていました。
なお、第2楽章ではフレクサトーンを使うことになっていますが、省略されることも多く、本CDに収録の演奏でも省略されています。

本CDで両協奏曲のピアノ独奏を担当するカペルは、ニューヨーク生まれのピアノ奏者です。7歳からピアノをはじめ、地元でドロテア・アンダーソン・ラ・フォレット(画家であるチェスター・ラ・フォレットの妻)の指導を受けていました。その上達は目覚ましく、ラ・フォレットの元で習い始めて2カ月ほどで地元で開かれた小さなコンクールを制覇しています。その後はフィラデルフィアのオルガ・サマロフの門弟となり、1941年にウォルター・ウェーレ・ナウムバーグ財団主催のコンクールで優勝。その年のうちにデビュー・リサイタルを開いたところ、ニューヨーク市から30歳未満の類稀な演奏家の業績に贈られるタウン・ホール賞を贈呈されています。その後もサマロフの下で研鑽を積み、1946年にはヨーロッパ・ツアーを成功させてアメリカの期待の新星と目されるようになりました。しかし、1953年にオーストラリアへの演奏旅行からの帰途、サンフランシスコ国際空港付近で飛行機事故に遭遇し、帰らぬ人となりました。

ラフマニノフの協奏曲でカペルの伴奏を務めるのはアーネスト・マクミラン(Ernest Macmillan, 1893-1973)の指揮するトロント交響楽団(Tronto Symphony Orchestra)です。
マクミランはカナダ音楽界の重鎮として知られたマルチ音楽家です。オンタリオ州ミミコの牧師の家に生まれ、8歳でトロントのオルガン奏者のアーサー・ブレイクリーにオルガンを学び、10歳でトロントのマッセイ・ホールでオルガン奏者としてデビューを飾っています。12歳の時には父親と一緒にスコットランドのエディンバラに行ってアルフレッド・ホリンズの元でオルガンを学び直し、エディンバラ大学でフレデリック・ニークスに音楽理論を教わりました。15歳の時に帰国してノックス長老派教会のオルガン奏者となり、17歳の時に短期間ロンドンのオルガン学校に留学しています。1911年に帰国してトロント大学で現代史を学んだマクミランは、1914年にパリに行ってパリ音楽院の教授だったテレーズ・シェニョーの元でピアノを学び始めましたが、この時にバイロイト音楽祭に出かけた所で第一次世界大戦が勃発し、スパイ容疑をかけられて1918年までルーレーベン収容所に拘束されることになりました。この収容所生活の中で、オペレッタ等を自作して自ら上演し、指揮者としての経験を積んでいます。また、戦争終結後に書き溜めた作品をオックスフォード大学に送り、音楽博士の学位を取得しています。1919年に帰国してからはトロントの教会オルガニストと聖歌隊の指揮者を務め、ヨハン・ゼバスティアン・バッハのマタイ受難曲を上演して指揮者としての名声を高めました。1931年から1956年までトロント交響楽団の首席指揮者を歴任し、このオーケストラをプロフェッショナルのオーケストラに育て上げました。また、ピアニストとしてキャスリーン・パーロウやザラ・ネルソヴァとピアノ三重奏団を結成した他、1929年からカナダ音楽院(後にトロント王立音楽院)で教鞭をとり、トロントで没しています。

本CDの演奏ではカペルが大変興奮気味な演奏を展開していますが、ハイ・スピードで振り切ろうとするカペルに必死で合わせるマクミランの伴奏にもスリルがあります。
第1楽章の冒頭からして、穏当なテンポを取るマクミランとテンポを上げたいカペルの鬩ぎあいがあり、ピアノの独奏が複雑化すると、カペルは技術的に破綻するギリギリまでテンポを上げ、マクミランのサポートを振り放そうとしています。
第2楽章はマクミランがゆったりとしたテンポで音楽のスケールを膨らませ、カペルもマクミランの音楽作りに乗っかりますが、中間部はカペルがイニシアチブを取り、勢いのある演奏で第3楽章につないでいます。
第3楽章はオーケストラに疲労の色が濃く、伴奏の精度が落ちます。しかし、ラジオ放送の混線を思わせる雑音をピアノとオーケストラで掻き消しにかかる様に聴こえるのは面白いものがあります。

ハチャトゥリアンの協奏曲では、フランク・ブラック(Frank Black, 1894-1968)の指揮するNBC交響楽団(NBC Symphony Orchestra)が伴奏を務めています。
ブラックはフィラデルフィア出身の人。ホテルのピアニストから紆余曲折を経てNBCの音楽ディレクターとなり、1948年にABCに移籍するまでNBC交響楽団の運営に深くかかわりました。1950年代半ばには引退し、アトランタで亡くなっています。

本CD収録の演奏の前日には、カペルはスタジオでフランツ・リストのメフィスト・ワルツ第1番を録音していたとのこと。そのせいか第1楽章ではまるでリストのピアノ曲を攻略するかのようなスリルがあります。ただ、その音楽の運びはカデンツァを除いてあっさりしています。第2楽章はオーケストラの反応が出涸らしのお茶のように味わいが薄く散漫な印象を残しますが、後半ではカペルの熱演に触発されてモチベーションが上がっています。第3楽章では第1楽章で見せた達者さに一層の力強さが加わり、勢いのある演奏になっています。オーケストラは所々で気勢を上げ、この楽章をクライマックスに仕立てて演奏するものの、表情付けが大味なため、ピアノを煽る効果はあまりなく、ピアノの迫力に便乗している感じがあります。

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