1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
CD1:
◈Ludwig van Beethoven: Symphony No.1 in C major, op.21
◈Ludwig van Beethoven: Symphony No.3 in E flat major, op.55 "Eroica"
London Symphony Orchestra / Josef Krips
(Rec.12-16 January & 3-5, 12 June 1960, Walthamstow Assembly Hall,London)
CD2:
◈Ludwig van Beethoven: Symphony No.2 in D major, op.36
◈Ludwig van Beethoven: Symphony No.6 in F major, op.68 "Pastrale"
London Symphony Orchestra / Josef Krips
(Rec.12-16 January & 3-5, 12 June 1960, Walthamstow Assembly Hall,London)
CD3:◈Ludwig van Beethoven: Symphony No.5 in C minor, op.67 "Fate"
◈Ludwig van Beethoven: Symphony No.7 in A major, op.92
London Symphony Orchestra / Josef Krips
(Rec.12-16 January & 3-5, 12 June 1960, Walthamstow Assembly Hall,London)
CD4:
◈Ludwig van Beethoven: Symphony No.4 in B flat major, op.60
◈Ludwig van Beethoven: Symphony No.8 in F major, op.93
London Symphony Orchestra / Josef Krips
(Rec.12-16 January & 3-5, 12 June 1960, Walthamstow Assembly Hall,London)
CD5:
◈Ludwig van Beethoven: Symphony No.9 in D minor, op.125 "Choral"
Jennifer Vyvyan (S)
Shirlley Verrett (Ms)
Rudolf Petrák (T)
Donald Bell (Bs)
BBC Choir (Chorus master: Leslie Woodgate)
London Symphony Orchestra / Josef Krips
Shirlley Verrett (Ms)
Rudolf Petrák (T)
Donald Bell (Bs)
BBC Choir (Chorus master: Leslie Woodgate)
London Symphony Orchestra / Josef Krips
(Rec.12-16 January & 3-5, 12 June 1960, Walthamstow Assembly Hall,London)
オーストリアの指揮者であるヨーゼフ・クリップス(Josef Krips, 1902-1974)がアメリカのエヴェレスト・レーベルに録音したルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(Ludwig van Beethoven, 1770-1827)の交響曲全集です。
エヴェレスト・レーベルが消滅し、CDが入手不能になってからは、Bescolというレーベルから再発売されたものの、どういう復刻をしたらこんな復刻になるのか分からないほどに音質が劣化しており、エヴェレスト・レーベルから出ていたCDを買い損ねた人を憤慨させたものです。
BescolというレーベルのCDは、そのうちCD市場から駆逐され、代わりにカナダのMadacyという会社から再リリースされました。ここで紹介するCD集は、このMadacyのCD集です。
このMadacyのCDセットは、ブリキの箱に折りたたみ式の紙&プラスチック製ケースが入れられています。
しかし、このケースをよく見てみると、
・アメリカ人メゾ・ソプラノ歌手の シャーリー・ヴァーレット(Shirley Verrett, 1931-)”t”の文字が1つ足りない
・チェコ出身のテノール歌手のルドルフ・ペトラーク(Rudolf Petrák, 1918-1972)の名前の”a"のアクセント記号がない
・カナダ人バス歌手のドナルド・ベル(Donald Bell, 1934-)のファースト・ネームが"Donaldson"になっている
・レスリー・ウッドゲート(Leslie Woodgate, 1900-1961)が合唱指揮を務めるBBC合唱団の名称がFestival Choirに変更され、ウッドゲートの名前が削られている
・録音年代などの情報が明記されていない
といった記載不備が見られ、このミスは箱の中身でも同じミスが引き継がれています。
人名のスペルミスやアクセント記号の欠落は、メジャー・レーベルでも時々見られることなので、目くじらを立てるほどのことではありませんが、合唱団の名前をあいまいな名前にして伏せている点や、録音年代を明らかにしていない点などからすると、このMadacyのCDセットもエヴェレスト・レーベルのライセンス・リリースではないと推察されます。
ひょっとすると、Bescolと同じような劣悪な音質なのではないかと思いましたが、第9番の第4楽章冒頭の音の状態が乱れている以外は、予想に反して、とてもクリアな音質で音楽を楽しむことが出来ます。
また、唯一の瑕疵である第9番の第4楽章も、テノール独唱が「おお、友よ、このような音ではない」と歌い始めるころには、音程も改善し、イギリス人ソプラノ歌手のジェニファー・ヴィヴィアン(Jennifer Vyvyan, 1925-1974)やヴァーレット、ペトラーク、ベルらのたっぷりとした歌の競演を楽しむことが出来、その瑕疵も気にならなくなります。BBC合唱団も明瞭な発音で歯切れのよい合唱を聞かせてくれます。
クリップス指揮するロンドン交響楽団の演奏は、当たり前の仕事を当たり前にこなした感じの演奏ですが、それは凡庸な演奏を意味するものではありません。
強烈なコントラストで聴き手を驚かせるのではなく、総合的に水準の高い演奏で自然に作品への敬意を掻き立てるのが、クリップスの芸風です。
奇を衒うことをしないかわりに、しっかりとつぼを押さえた演奏をするので、しばしば座右に置きたい演奏として取り沙汰され、エヴェレスト・レーベルからのリリースが消滅した後も、こうしてリリースされ続けているのです。
エヴェレスト・レーベルが消滅し、CDが入手不能になってからは、Bescolというレーベルから再発売されたものの、どういう復刻をしたらこんな復刻になるのか分からないほどに音質が劣化しており、エヴェレスト・レーベルから出ていたCDを買い損ねた人を憤慨させたものです。
BescolというレーベルのCDは、そのうちCD市場から駆逐され、代わりにカナダのMadacyという会社から再リリースされました。ここで紹介するCD集は、このMadacyのCD集です。
このMadacyのCDセットは、ブリキの箱に折りたたみ式の紙&プラスチック製ケースが入れられています。
しかし、このケースをよく見てみると、
・アメリカ人メゾ・ソプラノ歌手の シャーリー・ヴァーレット(Shirley Verrett, 1931-)”t”の文字が1つ足りない
・チェコ出身のテノール歌手のルドルフ・ペトラーク(Rudolf Petrák, 1918-1972)の名前の”a"のアクセント記号がない
・カナダ人バス歌手のドナルド・ベル(Donald Bell, 1934-)のファースト・ネームが"Donaldson"になっている
・レスリー・ウッドゲート(Leslie Woodgate, 1900-1961)が合唱指揮を務めるBBC合唱団の名称がFestival Choirに変更され、ウッドゲートの名前が削られている
・録音年代などの情報が明記されていない
といった記載不備が見られ、このミスは箱の中身でも同じミスが引き継がれています。
人名のスペルミスやアクセント記号の欠落は、メジャー・レーベルでも時々見られることなので、目くじらを立てるほどのことではありませんが、合唱団の名前をあいまいな名前にして伏せている点や、録音年代を明らかにしていない点などからすると、このMadacyのCDセットもエヴェレスト・レーベルのライセンス・リリースではないと推察されます。
ひょっとすると、Bescolと同じような劣悪な音質なのではないかと思いましたが、第9番の第4楽章冒頭の音の状態が乱れている以外は、予想に反して、とてもクリアな音質で音楽を楽しむことが出来ます。
また、唯一の瑕疵である第9番の第4楽章も、テノール独唱が「おお、友よ、このような音ではない」と歌い始めるころには、音程も改善し、イギリス人ソプラノ歌手のジェニファー・ヴィヴィアン(Jennifer Vyvyan, 1925-1974)やヴァーレット、ペトラーク、ベルらのたっぷりとした歌の競演を楽しむことが出来、その瑕疵も気にならなくなります。BBC合唱団も明瞭な発音で歯切れのよい合唱を聞かせてくれます。
クリップス指揮するロンドン交響楽団の演奏は、当たり前の仕事を当たり前にこなした感じの演奏ですが、それは凡庸な演奏を意味するものではありません。
強烈なコントラストで聴き手を驚かせるのではなく、総合的に水準の高い演奏で自然に作品への敬意を掻き立てるのが、クリップスの芸風です。
奇を衒うことをしないかわりに、しっかりとつぼを押さえた演奏をするので、しばしば座右に置きたい演奏として取り沙汰され、エヴェレスト・レーベルからのリリースが消滅した後も、こうしてリリースされ続けているのです。
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