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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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◈Gerald Finzi: Severn Rhapsody, op.3
◈Gerald Finzi: Nocturne (New Year Music), op.7
◈Gerald Finzi: Three Soliloquies for small orchestra from the Suite Love's Labourds Lost, op.28
◈Geralf Finzi: Romance for String Orchestra, op.11
◈Gerald Finzi: Prelude for String Orchestra, op.25
London Philharmonic Orchestra / Adrian Boult
(Rec. 1977)
◈Gerald Finzi: Introit for small orchestra and solo violin, op.6
Rodney Friend (Vn)
London Philharmonic Orchestra / Adrian Boult
(Rec. 1977)
◈Gerald Finzi: Eclogue for piano and string orchestra, op.10
◈Gerald Finzi: Grand Fantasia & Toccata for Piano and Orchestra, op.38
Peter Katin (Pf)
New Philharmonic Orchestra / Vernon Handley
(Rec. 1978)



エイドリアン・ボールト(Adrian Boult, 1889-1983)指揮するロンドン・フィルハーモニー管弦楽団によるジェラルド・フィンジ(Gerald Finzi, 1901-1956)の管弦楽作品集です。
フィンジは、自然絵の畏敬と感謝を音楽化することに情熱を注いだ作曲家でした。
彼は農園家として、イギリスのリンゴの絶滅種を保護したことでも知られています。
彼の音楽は、いくばくかの寂寥感と、瞑想的な静寂を漂わせ、時に厳粛さをも感じさせます。
1923年の作品である《セヴァーン狂詩曲》はアイヴァー・ガーニーの詩集『セヴァーンとソンム』から着想を得て作曲された、フィンジの出世作です。ノクチュルヌ(1920年代半ばの作)、劇音楽《空騒ぎ》から3つのソリロキー(1946年作)、ロマンス(1928年作)、前奏曲(1920年代の作)、《落ち葉》(1920年代の作)と、代表的なフィンジの管弦楽曲が並びますが、レイフ・ヴィーン=ウィリアムズの作品のような長閑さと、エドワード・エルガーの作品に見られるような矜持の高さが、ボールトの格調高い演奏振りとマッチしています。
ロドニー・フレンド(Rodney Friend, 1939-)をソリストに立てた《入祭唱》などは、侘び寂びの境地を垣間見せてくれます。
なお、以上の作品のうち、前奏曲と《落ち葉》は、元々交響曲の楽章として構想された作品ですが、交響曲としてまとめるという案は、作曲者自身によって廃案になり、それぞれの曲が独立して残っている作品です。
また、《入祭唱》も、ヴァイオリン協奏曲として構想され、完成はみたものの、その作品が気に入らず、気に入った第2楽章のみを独立させたものです。

余白として《エクロ-グ》と《幻想曲とトッカータ》が収録されていますが、この2作品はピーター・ケイティン(Peter Katin, 1930-)のピアノ独奏と、ヴァーノン・ハンドリー(Vernon Handley, 1930-2008)指揮するニュー・フィルハーモニー管弦楽団による演奏です。ハンドリーは、時刻イギリスの多様な音楽を積極的に世界にアピールし続けた、いわばイギリス音楽の伝道師のような指揮者でしたが、つい先日亡くなったとのこと。
無論、彼はイギリス音楽ばかり演奏していたわけではありませんが、彼の残したイギリス音楽の録音は総じて高水準の演奏内容だということで、イギリス音楽の愛好家からは全幅の信頼を寄せられていました。
ケイティンと演奏したこの2曲も、堅実な演奏で、これらの曲の魅力を十二分に伝えてくれています。
この2曲は、それぞれピアノ協奏曲のスケッチとして1920年代に書き始められた作品ですが、結局ピアノ協奏曲としてではなく、それぞれ独立した作品として発表されています。
技巧的に聴き栄えがするのは《幻想曲とトッカータ》のほうですが、フィンジならではの寂寥感が滲み出た《エクローグ》が、秋の雰囲気にふさわしい名曲です。
《エクローグ》とは独白調の田園詩を意味しますが、ポツリポツリと自分の心のうちを語るようなピアノの歌い口を優しく弦楽合奏が包み込む作品です。時にはピアノが激昂し、弦楽合奏がそれに合わせて感情のふり幅の大きな伴奏をつけてクライマックスを作り上げますが、消え入るようなコーダに、美しい余韻を感じることが出来るでしょう。
《幻想曲とトッカータ》は、ピアノのパートを技巧的に作ることに専心しすぎて、オーケストラのパートが長く沈黙してしまうというアンバランスさが見られますが、ケイティンの熱演が、そうした欠点から聴き手の耳を逸らさせるのに効果を発揮しています。
トッカータに入ると、顔にしわを寄せたような幻想曲の表情も幾分柔らかくなり、オーケストラと緊密に対話をしながら、華々しい音楽を奏でていきます。ここでのハンドリーのタクト捌きとケイティンの技の冴えは、本CDの中でもとりわけ聴き手をワクワクさせる場面です。

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