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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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CD1:
Johann Nepomuk Hummel: Piano Trio in E flat major, op.93
Johann Nepomuk Hummel: Piano Trio in G major, op.65
Johann Nepomuk Hummel: Piano Trio in E major, op.83
Trio Parnassus
{Friedmann Rieger (Pf.), Wolf-Dieter Streicher (Vn.), Michael Groß (Vc.)}
(Rec. 1987-1988)

CD2:
Johann Nepomuk Hummel: Piano Trio in E flat major, op.12
Johann Nepomuk Hummel: Piano Trio in F major, op.22
Johann Nepomuk Hummel: Piano Trio in G major, op.35
Johann Nepomuk Hummel: Piano Trio in E flat major, op.96
Trio Parnassus
{Friedmann Rieger (Pf.), Wolf-Dieter Streicher (Vn.), Michael Groß (Vc.)}
(Rec. 1987-1988)




ヨハン・ネポムク・フンメル(Johann Nepomuk Hummel, 1778-1837)は、ハンガリー王国領ポジョニ(ドイツ名「プレスブルク」、現スロヴァキア領ブラティスラヴァ)で生まれた作曲家です。ハンガリー王国は、オーストリアのハプスブルク家が領主を兼ねており、いわばオーストリアの領邦でした。そんなわけで、フンメルはしばしばオーストリアの作曲家と扱われます。
フンメルは地元の有名な音楽家だった父ヨハネスから音楽の手ほどきを受け、8歳の時にウィーンのアウフ・デア・ヴィーデン劇場の指揮者に就任した父に同伴する形でウィーンに移住しています。ウィーンでは劇場の伝手でヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの内弟子になり、11歳の時にモーツァルトの提案でヨーロッパ各地に演奏旅行に出かけ、ピアノの名手として独り立ちするようになりました。1793年にはウィーンに戻り、ヨハン・ゲオルク・アルブレヒツベルガー、アントニオ・サリエリ、フランツ・ヨーゼフ・ハイドンの各氏の薫陶を受け、1804年にエステルハージ家の宮廷オーケストラに入団しましたが、その年にハイドンが楽長を辞任し、そのハイドンの推挙で楽長に就任しています。1811年にエステルハージ家から離れた後は、シュトゥットガルトやヴァイマルの宮廷で楽長として活躍し、ピアノ奏者としても人気を博しました。1834年に病を得て引退し、ヴァイマルで亡くなっています。
生前のフンメルは、同業者のルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンと親交を結び、お互いに切磋琢磨するライヴァルでした。ただ、フンメルはベートーヴェンよりも穏健にモーツァルトやハイドンの音楽語法を継承する道をとり、ベートーヴェンと同一路線をとりませんでした。例えば、ベートーヴェンは交響曲を9曲も書き上げましたが、フンメルは一曲も書き上げていません。

宮廷作曲家として曲がりなりにも仕事をこなす道を歩んだフンメルの音楽は、本CDに収録されるピアノ三重奏曲全集を聴いても、ベートーヴェンの作風とは異なります。ベートーヴェンのピアノ三重奏曲は、時代を経るにしたがって三者がイニシアチブを取り合うような鬩ぎ合いを演じるようになっていきましたが、フンメルは自らが弾きこなしたピアノを中心に和やかな合奏に止め、サロンに集まる紳士淑女たちの気障りにならないように配慮しています。各楽器間の絡み合いに多少の充実はみられるものの、来賓をおもてなしするためのサロン音楽的流麗さという基本的なコンセプトを揺るがせないところが、このジャンルにおけるフンメルの特徴だといえます。

演奏しているトリオ・パルナッソスは、1982年にチェリストのミヒャエル・グロス(Michael Groß)、ヴァイオリニストのヴォルフ=ディーター・シュトライヒャー(Wolf-Dieter Streicher, 1956-)、ピアニストのフリーデマン・リーガー(Friedemann Rieger)が結成した三重奏団です。1989年にピアノ・パートが台湾出身のチア・チョウに変わり、2007年にはヴァイオリンがヤメイ・ユーに変わって活動を継続しています。なお、ヴァイオリンを弾いているシュトライヒャーは、コントラバスの名手であるルートーヴィヒ・シュトライヒャーのご子息だそうです。
溌剌とした演奏で、クセのないフンメルの音楽をテキパキと料理しており、初めてフンメルの音楽に触れる人には好感触を与えることでしょう。
常設三重奏団ならではの和気藹々としたアンサンブルが、大変曲想にマッチしています。

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