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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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◈Ildebrando Pizzetti: Messa da Requiem
◈Ildebrando Pizzetti: Tre composizioni corali
The Danish National Radio Chamber Choir / Stefen Parkman
(Rec. 14-15 & 29-30 March 1990, Danish Radio Concert Hall, Copemhagen)
◈Ildebrando Pizzetti: Due composizioni corali
The Danish National Radio Chamber Choir / Stefen Parkman
(Rec. 4-6 September 1989, Odd-fellow Hall, Copenhagen)



イタリアの作曲家、イルデブラント・ピツェッティ(Ildebrando Pizzetti, 1880-1968)の合唱曲を集めたCDです。ピツェッティは、ピアニストだった父から音楽の手ほどきを受け、ミラノ音楽院でジョヴァンニ・テバルディーニの薫陶を受けました。テバルディーニはイタリア・ルネッサンスの音楽を研究しており、ピツェッティは、その教えを受け継ぎ、オットリーノ・レスピーギらの復古主義に加わりました。
本CDに収録されているのは、1922年に製作されたレクイエムと、1942年から翌年にかけて作られた《3つの合唱曲》、1960年作の《2つの合唱曲》の3つです。いずれも無伴奏合唱曲で、レクイエムは〈安息を〉(Requiem)、〈怒りの日〉(Dies irae)、〈聖なるかな〉(Sanctus)、〈神の子羊〉(Agnus Dei)、〈救い給え〉(Libera me)の5つの部分からなります。《3つの合唱曲》は〈夜のとばりが〉(Cade la sera)、〈泣き叫べ〉(Ululate)、〈主よ、思い出したまえ〉(Recordare, Domine)の3曲からなり、《2つの合唱曲》は〈アフロディーテの園〉(Il giardino di Afrodite)、〈満月が昇った〉(Piena sorgeva la luna)の2曲からなります。
レクイエムは、1920年に亡くなった妻を偲んで作曲されたもので、教会旋法を所々にあしらい、復古主義者としての矜持を示しています。作品の中心となる〈怒りの日〉ではグレゴリオ聖歌のそれを主題に用い、華麗に和声をつけて変容させています。作曲された年の11月にフィレンツェで初演されました。
《3つの合唱曲》も、オペラ台本作家のガブリエーレ・ダヌンツィオが1938年に逝去したのを受け、その追憶に作曲されたものです。レクイエム同様、《3つの合唱曲》も典礼文に基づいて作曲され、宗教色の強い音楽に仕上がっていますが、《2つの合唱曲》は古代ギリシャの詩人のサッフォー(Sapho)が書いた詩を、イタリア人言語学者のマナーラ・ヴァルギミーリ(Manara Valgimigli, 1876-1965)に翻訳してもらってテキストにしています。

演奏は、ステファン・パルクマン(Stefan Parkman, 1952-)の指揮するデンマーク国立放送室内合唱団が担当。パルクマンはスウェーデンの合唱指揮者で、テノール歌手としても活動している人。合唱指揮をエリク・エリクソンから学び、ヨルマ・パヌラの教えも受けています。1974年からウプサラ聖歌隊の音楽監督を務めた後、1989年から2002年までデンマーク国立放送の合唱団の音楽監督となり、その後は地元スウェーデンの放送合唱団の首席指揮者の傍ら、ヨーロッパ各地の合唱団への客演を重ねています。
本CDは、演唱の難易度の高い《3つの合唱曲》や《2つの合唱曲》の理想的な演奏が聴けるのが魅力。パルクマンの指揮するデンマーク国立放送室内合唱団は、半音階的なフレーズでも音程が一切乱れず、清純なハーモニーを堅持しています。しかも、音程の確かさを基礎として、フレーズの一つ一つに情感を込められている点も耳を惹きます。例えば《3つの合唱曲》の〈主よ、思い出したまえ〉のテノールによる朗唱による出だしや《2つの合唱曲》の〈アフロディーテの園〉における女声と男声の柔らかなブレンドは、無伴奏合唱の美感をしっかりと味わわせてくれます。
レクイエムの演奏でも音程の乱れが全くなく、複雑なハーモニーの絡み合いを、難しさを感じさせることなく表情豊かに歌いきっています。〈サンクトゥス〉は、まるでオルガンのような壮麗さを無伴奏で表現。〈救い給え〉の哀感と荘厳さは思わず頭を垂れてしまう程。心を静め、虚心坦懐に耳を傾けさせる、まさに祈るような演奏です。

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