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1928年の日本ハナゲ學会第3分科會において瓢箪屋蓑吉氏が発表した「傳説の白ハナゲと黑ハナゲの脱色化の判別に關する文化論的一考察 ―ルウブル美術館をくまなく回ろうとして挫折したフレデリツク勅使河原氏の手記を中心に―」を再読したり、検証したりするBLOGではないことは確かなことです。ええ!確かなことですとも!
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◈Hector Berlioz: Symphonie fantastique, op.14
Berliner Philharmoniker / Igor Markevitch
(Rec. 23-29 November 1953, Jesus-Christus-Kirche, Berlin)
◈Domenico Cimarosa: Concerto for 2 Flutes and Orchestra in G major
Aurèle Nicolet (Fl)
Fritz Demmler (Fl)
Berliner Philharmoniker / Igor Markevitch
(Rec. 19-20 December 1954, Jesus-Christus-Kirche, Berlin)



本CDは、エクトル・ベルリオーズ(Hector Berlioz, 1803-1869)の幻想交響曲(1830年作)と、ドメニコ・チマローザ(Domenico Cimarosa, 1749-1801)の2本のフルートのための協奏曲(1793年作)をカップリングしています。

ベルリオーズはフランスの作曲家。幻想交響曲は、彼の代表作であり、19世紀ヨーロッパの音楽に少なからぬ影響を与えた重要な作品でもあります。この交響曲の画期的なことは、まず私小説的な物語を交響曲のジャンルに持ち込んだことです。この作品を書くにあたって、ベルリオーズは、フランスに滞在中だったイギリス人女優のハリエット・スミッソンに恋をしましたが、無名だったベルリオーズはスミッソンの視界に入らず、ベルリオーズの勝手な失恋に終わりました。失恋した芸術家がアヘンのオーバードーズで幻覚症状に襲われるという、この曲のコンセプトは、まさにスミッソンへの失恋がモデルになっています。さらに本作の画期的なことは、「固定楽想」の導入です。「固定楽想」とは、一定のメロディを、キャラクターの投影として、度々曲のあちこちに登場させることです。ベルリオーズは5つの楽章からなる曲の端々に、恋人の主題を度々登場させ、それぞれの楽章の関連付けに成功しています。こうした「固定楽想」は、リヒャルト・ヴァーグナーの「ライトモティーフ」の先駆けとなりました。この曲の後世への影響として、当時としては破格のオーケストレーションも挙げられます。コーラングレやオフィクレイドを使ったり、ハープ奏者を4人以上要求したり、打楽器に鐘を導入したりし、舞台裏にオーボエを仕込んで舞台上のコーラングレと対話させたり、ティンパニを雷鳴の描写に使ったりと、当時としてはずいぶん先進的な試みが行われています。
幻想交響曲は、1830年12月5日にパリ音楽院でフランソワ・アブネックの指揮で初演されましたが、その後も演奏されるたびに手を加え、1855年に決定稿が完成しています。

チマローザは、18世紀イタリアの作曲家。アントニオ・サリエリの後任として一時期ウィーン宮廷の楽長を務め、オペラ《秘密の結婚》で当代随一のオペラ作家としての人気を手に入れた人です。ウィーンでの成功を手土産にナポリに帰郷したチマローザは、エステルハージ家の使者がナポリの宮廷を訪問するということで、宮廷サイドから祝宴用の音楽の依頼を受け、この2本のフルートのための協奏曲が完成されました。オペラの作曲家だけあって、流麗なメロディ作りには苦労せず、明朗闊達で耳に心地の良い作品が出来上がっています。フルートのパートもコロラトゥーラ・ソプラノの二重唱のように華やかに作られています。片方のパートに難易度が偏るのではなく、互角の腕前で存分に腕が振るえるように作られているのも見事な点です。

本CDは、イーゴリ・マルケヴィチ(Igor Markevitch, 1912-1983)の指揮するベルリン・フィルハーモニー管弦楽団による演奏を収録しています。まだヴィルヘルム・フルトヴェングラーが君臨していた時代のベルリン・フィルハーモニー管弦楽団を徹底的に扱き上げ、雰囲気任せにせず、全ての音を可能な限り克明に鳴らし切っています。ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団も、天下の名門オーケストラなので、マルケヴィチの要求することには何の問題もなく応じられますが、血がふつふつと滾ってくるような熱さがあり、ベルリオーズの誇大妄想的な狂気が炙り出されていきます。「野の風景」と題された第3楽章などは、音数が少ないながらにピリピリとした緊張感があり、中だるみを許しません。
チマローザの協奏曲は、オーレル・ニコレ(Aurèle Nicolet, 1926-)とフリッツ・デムラー(Fritz Demmler, 1916-1997)がソリストを務めています。ニコレはスイス出身のフルーティストで、チューリヒでアンドレ・ジョネ、パリ音楽院でマルセル・モイーズに師事しました。1948年のジュネーヴ国際音楽コンクールでフルート部門の第一位を獲得し、ヴィンタートゥール市管弦楽団の首席奏者に就任したものの、1950年にはフルトヴェングラーにヘッド・ハンティングされてベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の首席奏者になりました。デムラーはドイツのフルーティストで、ライプツィヒとシュトゥットガルトで研鑽を積み、1937年からシュトゥットガルト・フィルハーモニー管弦楽団の首席奏者として活動していました。第二次世界大戦の兵役後はミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団の首席奏者つぃて音楽活動に復帰し、ニコレと同じ時期にベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の首席奏者を務めています。ニコレのほうは1959年にソリストとして独立しましたが、デムラーのほうは1970年まで首席奏者を歴任し、1982年に退団しています。
マルケヴィチの指揮するベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のキビキビとした伴奏に乗って、ニコレとデムラーの独奏がたがいに一歩も引かない互角の勝負を繰り広げています。音色としてはニコレのほうが華やかですが、デムラーのフルートもいぶし銀の堅実さでニコレにぴったりと合わせています。

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